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持ち帰ったキャラで雑談 その二

315七つ怪談探偵部:2008/05/27(火) 21:10:35
少女は名前を山手イズミと名乗り、フヨウと同じ図書部であるとアサヒに説明した。
「んで、その寝ぼすけなフヨウ先輩に何の用なんだ?
三年生は基本的に進学するまで部活は休みの筈だぜ?」
その言葉にイズミは申し訳なさそうに視線を落としながら、ぼそぼそと話し始めた。
「そうは思ったんですけど、頼れそうな人は皆さんもう帰ってしまったんで、比較的帰りが遅いって有名なフヨウ先輩ならって」
「有名なって…」
その一言に呆れながらも、先を話す様に促す。
すると、イズミはスカートを握り締めている手を震わせながら、ゆっくり語り出した。
「あれは、図書室で返却されてきた本を整理してた時なんです…」


お喋りをしながら入ってきた三人組の生徒にイズミはムッとしながら、本棚に本を戻した。
いつもは注意を促す教員が今日に限ってこの場には居らず、
かといって自分より年上とおぼしき彼女らに注意する勇気はイズミにはなく、
ただ図書室の奥へと進む彼女達を無視して、本棚に本を戻す作業を続けていた。
そして、しばらく経った頃であった。
「ちょっと!本当だったんじゃないの!どうすんのよ!」
「知らないわよ!あたしに聞かないでよ!」
半ば叫びながら、飛び出していった二人を見送り―奇妙な感覚に捕われる。
最初に来たのは三人で、戻ってきたのは二人。
では、後の一人は?
急にイズミの背筋を冷たい物が走る。
慌てて振り返って―彼女は悲鳴を上げた。
彼女の目にした物、それは―。

「『奥の壁に付いた手形に触ると壁に捕まる』、か」
人の形に浮き上がった染みを見上げながら、アサヒは息をついた。
あの後、とりあえずイズミに教員を呼ぶよう指示を出し、一足先に図書室へ向かった二人は
奥の壁に出来た染み―噂通りなら、壁に捕まった生徒だろう―を見上げていた。
「でも凄いねぇ、これ」
あくまで呑気に言うフヨウに呆れながら、辺りを見回す。
地下に作られた図書室は空気が淀み、明かりを集める天井の大窓も今の時間では大して機能していない。
室内には本棚が整然と並べられており、人が隠れられるスペースはそうなかった。


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