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持ち帰ったキャラで雑談 その二

313大胆:2008/05/27(火) 09:47:58
不意に空間に小さな切目が現れる。
それは少しずつ、けれど確実に広がり、とうとう人一人とそう変わらない迄の大きさとなった。
切目から覗く無数の目が辺りをぎょろりと見回し、人の居ない事を確認すると
切目を押し広げる様に手が現れる。

「ふあぁー…」

欠伸をしながら現れたのは、まだ若い女だった。
だが、その身から放たれる気は決して人のそれではなく、その者はうすら寒い物―ともすれば、恐怖を感じる事となっただろう。
…頭に酷い寝癖があるのとよだれの跡が無ければの話だが。
「んー…」
状況を把握しているが、面倒といった様子で手を切目に入れる。すると―
「うををっ?!」
空から別の女が落ちてきた。
「ちゃお」
起き上がり、訳が判らないと辺りを見回す彼女に女が声をかける。
「……紫さんよぉ、何が悲しくて地面と熱烈なキスせにゃならんのですか」
声に振り返った彼女は暫しきょとんとした後、胡散臭そうに女―八雲紫を見つめた。
「ちょっと暇人なむぅちゃんに」
「暇人じゃないっての」
「強制的に人を回復してほしいのよ」
「拒否権なし!?」
ブツブツと文句を言いながらも、対象に近付き、手をかざす。
柔らかな光が対象を包み込む様を見ながら、紫が呟く。
「時間かかるわね」
「対象者のエネルギー使ってる訳じゃないからね。
その場自体の生命エネルギーを分けてもらって、対象に注ぎ込んでる感じだからさ…はい、治療終わり」
一仕事したと言わんばかりに首を回しながら、立ち上がる。
「ふふっ、ありがとう」
「ん?どういたしましt」
言いかけた彼女の足元に切目が入り、ズボッと言う音と共に切目の中へと落ちていった。
「さて―」
あんまり無茶をしないことと書かれた紙を置きながら、紫は小さく伸びをし
「…帰ってねましょ」
彼女が切目に姿を消すと同時に、何事もなかったかのように切目が消え失せる。

後には何も残らなかった。


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