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持ち帰ったキャラで雑談 その二
310
:
花咲く夜に蝶は踊る
:2008/05/22(木) 22:24:06
視界を霞めていくナイフをギリギリで交しながら、隙をみては反撃をする。
もう何度も繰り返し見ている光景に少女は僅かながら集中を途切れさせた。
「―――!?」
肩を伝う痛みに顔を歪めながら、攻撃が密集しつつあるその場所を離れた。
一瞬とはいえ、その時を最大に利用した事に少女はやはり油断はならないと相手を見た。
目の前の相手はしてやったりと一瞬笑い、また鋭い目付きで少女へ狙いをつける。
瞬間、相手の姿はそこから消え、代わりに無数の刃が再び少女へと殺到する。
急速に自分へと迫る刃の雨を前に彼女はすっと息を吸い―紅い瞳で相手を捉えた。
手にした烏の描かれた黒いカードに力を込め、宣言する。
黒符『常闇の烏』―
符の力が解き放たれると同時に少女の従えていた使い魔が烏へと姿を変え、辺りが黒へと染まる。
その黒に溶け込むように烏達は相手へと殺到し、
傷魂「ソウルスカルプチュア」
黒を割って現れた紅い軌跡に烏は残らず切り刻まれ―そこで相手ははっと目を見開いた。
少女が、居ない。
背後だと気付いた時には既に少女に放たれた紅い奔流に飲み込まれていた。
「負けちゃったわね」
服―勿論新しく着替えたそれについた埃を払いながら、咲夜は地面で伸びている少女へ声をかけた。
「でも、よーやく一勝だよ。19敗1勝でまだまだ咲夜さんには勝てないよ」
悔しそうに言うフヨウの回りには彼女の使い魔達が心配そうに漂っている。
「けど、初めて作ったスペルカードにしては中々だったわよ?
その子達には時間停止があまり効かないみたいだし」
それにしたってさぁ…と口を尖らせるフヨウに咲夜はくすりと笑うと手を差し出すのであった。
おまけ
「あのさ、もうルールは分かったからさ。
てかレミィムキになってない?」
「私が高々チェスごときでムキになるとでも?
ただ素人に負けたのが何だかしらんが嫌なだけだ」
(咲夜さん、頼むから早く帰ってきて…)
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