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持ち帰ったキャラで雑談 その二

304傍観:2008/05/17(土) 12:46:20
「面白そうな事になってきたねぇ」
扇子を開いては閉じるを繰り返す紫の肩に顎を乗せながら、
前に開かれた隙間を萃香が覗き込む。
「そうね」
パチン、と区切りをつけるように扇子を手の中に収める。
「役者は既に舞台に立ち、後は開始の鐘を待つのみ。
あれの相手はさながら蓬莱人かね?」
自身の予想を話す萃香に紫は扇子を口許に持っていきながら、くすりと笑う。
「案外二人かもしれないわよ?」
「っていうと?」
隙間から見える光景はいつの間にか一人の式から一人の青年へと変わっている。
「悲劇を知る者はそれを繰り返さぬ様に立ち回る。
けれど舞台に立つ役者達は劇のシナリオには逆らえない。
それはあの場所を収める彼とて同様」
「…もうちょっと分かりやすく頼むよ」
「まあ、簡単にいえば、劇は面白い方がいいってことよ」

紫の瞳がすっと細められる。
寒気すら感じられるそれに萃香が思わずたじろぐ。
片手に複雑な式を組み込んだ符を持ち、笑みを浮かべる。
「そう、劇は面白い方が観客も喜ぶものね」
ぺらりと符を隙間に落とすと彼女はおかしそうに笑う。
「…楽しませて頂戴ね」


隙間の向こうでは彼女の式の式の背に張り付いた符が溶けるように消えていた。


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