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持ち帰ったキャラで雑談 その二

30確執編十二章:振り返りの推奨      6/7:2007/05/31(木) 20:45:15

 ・二日目 PM4:00 サイド:リディア

「前々から疑問に思ってたんだがな」
 試食用の八橋を掲げながら、一言。
「なんでこれ、こんな形してんだろうな」
 おみやげ屋に入るなり、真っ先に秋生さんが口にした言葉がそれだった。
 まじまじと私もそれを見つめる。
 四角形の白いお餅みたいなものの中に、あんこを入れて挟んだ三角形の物質。
 確かに珍しいかもしれない。
「食感も、お餅より硬いけど柔らかくて面白いです」
 少しずつちぎってちまちまと口に入れているのは渚。
「私、中学の時の修学旅行も病気で休んでしまったので、八橋を食べるの夢だったんです」
 つまり念願がようやく叶ったわけだ。
「味の方も、けっこう面白いよね」
「はい。言葉では表現できない美味しさです」
 渚の表現は、時々オーバーな気もするけれど。
 そんなことも楽しくて、私は自然と笑みを浮かべていた。
「見てください。大発見です」
「どうしましたか、ふぅちゃん?」
 風子は両手に八橋を何個も持っていた。
 どうでもいいけれど、試食品をそんなにもらっていいんだろうか。
「ほら、こうやって3つ重ねると」
「……星?」
「ヒトデです」
 なるほど。言われてみると、角が5つあるやや黄色っぽい白はヒトデに見えなくもない。
「きっと風子とヒトデは離れられない運命にあるに違いありません」
「それ張り付かれてるんじゃ……」
 ツッコミは、しかし彼女の耳には届かない。見ると恍惚な表情を浮かべて停止している。
 どうやら遠い世界に旅立たれてしまわれたらしい。
「なんだ? どした?」
 風子の異変に気づいた秋生さんが、その手に握られたヒトデ(メイドバイ八橋)に目をつけると、
「いらないんならもらってやるぞ」
 私が静止するより早く口の中に放り込んだ。3つまとめて。
「はっ、今ヒトデとどちらが長く岩に張り付いてられるか競争する夢を見てました」
 我に返った。それにしても微妙な夢だ。
「あれ? 風子のヒトデはどこに行ってしまったんでしょう」
「そこ」
 指差したのは、秋生さんの口。
「風子のヒトデ、食べたんですかっ!」
「あん? んなもの食ってねぇぞ」
「怖ろしいです……今度から、あなたのことはヒトデイーターと呼ぶことにします」
「馬鹿野郎。俺様のことはちゃんと秋生様と呼べ」
「じゃあ合わせてヒトデ様と呼ぶことにします」
「俺はどこにいったんだよ!」
「まったく、とてもわがままです。仕方がないので秋生イーターと呼ぶことにします」
「『俺の主食:俺』、って何だそりゃぁぁぁっ!」
「お父さんとふぅちゃん、とっても仲が良くて羨ましいです」
「…………そう?」


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