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持ち帰ったキャラで雑談 その二

279朝御飯と新聞:2008/04/16(水) 08:28:17
「あら」
「ん?」
目の前に広げられた新聞から上がった声に彼女はトーストをかじりながら、顔を上げた。
朝の静かな食卓。
住人達の殆んどが朝食を済ませたそこに偶然顔を合わせた二人はいた。
最も縁側で寝ている酒飲み鬼が立てる大鼾で実際には静かさとは縁遠い。
閑話休題。
文々。新聞と書かれたそれの向こうで相手は相変わらず何かに目を通しながら、
教育が足りないかしら等と呟いている。
「…何か面白い記事でもありました?」
指についた油を舐めとりながら、問いかける。
「ちょっとうちの式がね」
それだけ言うと相手は新聞を畳み、その記事が見える様に彼女へと差し出す。
『大激突!雨夜の死闘』等と銘打たれているそれに目を通しながら、訊いた。
「で、藍がどっかの誰かさんと闘うのに不都合でも?」
まだわからないのかとか言わんばかりに大袈裟に呆れながら、湯呑の茶をすする。
「私が決めた通りに動かなければ力は十分に発揮出来ないのは…」
答えを待つようなそぶりの相手に彼女は肩をすくめる。
「耳にタコ。
ってつまり今回のは彼女の独断?」
「そういうことになるわね」
どこから取り出したのか、日傘を手に、空中をなぞるように横に手を動かす。
「式は道具、道具は指示通り動いて初めて真価を発揮する。
…それを自身の考え、感情で動けばいずれは命を落とす。
…あの子ほど有能な道具を失うのは惜しいわ」
言いながら、日傘を開けた隙間へと差し込み、ぐりぐりと手を動かす。
何をしているかは、大体想像がつく。
(でも、本当は心配なんだろうな)
口では道具、道具と言いながら、その口調には僅かだが不安を感じてた。
(とは言え、気のせいかもだけどね)
隙間から聞こえてくるか細い悲鳴様な声にきっと隙間の向こうでは朝から
スプラッターショー絶賛開幕中なんだろうな、とどうでもいいことを考えながら
最後のカフェオレを胃に流し込み、彼女、村上紫は食卓を後にするのだった。

おおむね、今日も平和です。


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