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持ち帰ったキャラで雑談 その二

273君の笑顔と虹の空:2008/03/22(土) 17:01:35
「うそつき」
両目に涙をためながら、自分を睨む妹にレミリアはただ立ちつくすだけしかできなかった。
後ろでパチュリーが息を飲む気配がする。
「お姉様なんか…」

「大嫌い!」


枕に顔を押しつけながら、フランドールは大声で泣いていた。
周りでは溢れた力が荒れ狂いながら、ベッド以外のものを壁に叩き付けていた。
その音にも彼女が顔を上げる事はなく、部屋の中はどんどん荒れていった。
ゴンゴン。
吹き飛んだものが重い扉に当たって、音を立てる。
ゴンゴン。
「妹様」
誰かの声に枕に顔を埋めたままのフランドールの肩がぴくりと動く。
「…今誰とも会いたくないの」
扉の外にいる誰かにそう冷たく言い放つ。
それでもその誰かは彼女の声を無視して、扉を開け―

「来ないでって言ってるでしょ!?」

その声とともに入ってきた誰かに魔力を放つ。
弾のはじける音とくぐもった声。
その音にようやくフランドールは顔を上げ、床に倒れた誰かを見下ろす。
見た事のない誰かは苦しそうに―けれど悲しそうな瞳でフランドールを見上げる。
「そんな目で…見ないでよ!」
相手の頭をつかむとそのまま床に叩き付ける。何度も何度も。
それでも彼女は自分の髪をつかんだその手にそっと己の手を重ねた。
「大丈夫ですよ」
誰かは血まみれの顔で笑った。
ただやさしく、フランドールを包み込むように。
「あ…う…」
いままで向けられた事のないその顔にフランドールはたじろぎ、手を離し後ずさった。
その彼女を誰かはただ黙って抱きしめた。
「私はレミリア様の部下です」
その言葉にフランドールの顔が歪む。
「やっぱり、あいつの思い通りって訳ね」
振り解こうとする彼女にでも、と誰かは続ける。
「私はフランドール様の友達になりたい」

「…あー」
天井を見上げながら、声を上げる。
懐かしい夢を見た、気がした。
といっても昔のことなんてよくおぼえてはいない。
伸びをしながら、服を着ていると誰かの足音が聞こえてくる。
少し早歩きのそれに背中の羽をばたつかせながら、扉へ向かう。
「おはよう!アサヒ!」
「おお、今日は随分早起きじゃねぇか」
「えへへ、だって今日は魔里沙にお呼ばれしてるんだもん」
「ははは、そうだったな。じゃ、行くか」
「うん!」
手を繋ぎながら、正面玄関へ向かい、門の近くまで歩く。
「ああ、アサヒにフランドール様。お出かけですか?」
あくびをしていた美鈴が二人の姿を見つけ、背筋を正す。
「うん!魔里沙のとこにいくんだ!」
嬉しそうに笑うフランドールに美鈴は優しく笑いかけながら、その頭を撫でる。

「よかったですよ、ああして笑えるようになって」
「の割には寂しそうじゃないか」
「そんなことないですよ。私は彼女が笑っていられるだけで幸せなんです」

―そうですよね?フランドール様
空にかかった虹へと飛ぶ二人を見ながら、美鈴は今日も門の前に立っていた。


蛇足
めーりんは紅魔館みんなのお母さん
異論?そんなもん知らんニャ


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