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持ち帰ったキャラで雑談 その二

268憐哀編side春原:四章「平穏の裏表」     1/5:2008/03/20(木) 22:42:30

 一日目 PM 16:30

 ――文明人の僕が、もっと遊べる場所を教えてやるよ。
 そう言ってから、歩いて、歩いて。
 僕達はようやく目的地に辿り着いた。
「この辺は遊べる場所が少ないんだよな」
 もともと存在価値が「大学に近い」しかない駅の前だ。
 近くにあるのは何でも取り揃えているだけが取り柄のスーパーを除けば、
個人経営のしがない小型店舗しかない。
 都会人の僕には耐えられない田舎っぷりだ。
 いや、僕の実家の田舎っぷりはこんなもんじゃないけど。
「ここ何? 中、暗くてすごい音がしてるんだけど」
「入ればわかるさ」
「……はっ! まさかイサちゃんは大人の階段上るシンデレラですか!?」
「どっから覚えてくんだよ、んな言葉」
「ダメです! だってイサちゃんはまだ1434歳なのですから!」
「いやむしろ大丈夫だろそれ」
 ネジの飛んだイサの手を掴む。
 ひどく汗ばんでいた。やたら緊張しているらしい。
「ほら、行くぞ」
「え、あ、でも……恥ずかしい、よ…………」
 半眼でイサの顔を見る。
 何をどう勘違いしてるか、耳まで真っ赤な動揺ぶりを見れば一目瞭然だ。
 ――なんつーマセたガキだ。
 わざわざ口頭で誤解を解くのはひどく面倒だったし、
そうまでしてやるほど僕はお人好しじゃない。
 イサの態度は完全に無視して、中へと強引に連れ込む。

 イサは、ほとんど抵抗しなかった。


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