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持ち帰ったキャラで雑談 その二
259
:
手記、2
:2008/02/24(日) 22:41:59
食卓とは、一言で言えば世界の縮図のようなものだ。
ある者は平和に朝のひと時を語らい。
またある者は、一握りのパンを求めて醜く争う。
「……大人しくその焼き魚をそちらに寄越しなさい。
今日は目覚めがいいから、スペルカードの餌食にするのだけは勘弁してあげるわ」
「あらあら、巫女ともあろう御方が脅迫? 世も末ねー」
朝食は和食と洋食の二種類を毎朝用意する。
人によっては朝からパンなんて食べたくないという我儘さんもいるからだ。
私の担当は主に洋。一方の和食は杏の担当だ。
けど、どちらか一方だけ、なんて明確な仕切りを持っている人は、実はほとんどいない。
「ソーセージー、ソーセージを食べるよー」
「イサ! 今すぐその皿のソーセージを3つだけ残して退避させなさい!」
「らじゃー!」
ご飯を食べながらコーヒーを飲む子もいれば、パンに梅干しを塗って食べる子もいる。
その辺は人によって様々だと思うし、片方に寄られて残ってしまうなんて心配もしなくて済む。
けど、それはつまり、それだけお互いに食べるものが交錯するって意味でもあるんだけど。
「パンー、パンー」
「残り一枚…そこはもうダメよ! 諦めなさい!」
「そんなっ。ボク、まだ今日は一枚も食べられてないのに!」
「悲しいけど……これは戦争なのよ」
「いや、朝御飯でしょ」
さっきからやかましく騒ぎながら食べてるのは、まぁいつも通りアーチェとイサのバカコンビだ。
どちらかというと洋の傾向が強い二人は、いつも彼女と食べ物を争っている。
そう、アスミも相対的に洋食傾向が強い。
小さな両手でしっかりとパンを掴み、はくはくと口の中に詰め込んでいく。
その口からポロポロとパンくずが零れ落ちるのも、まぁいつも通り。
「アスミ、いい加減零さないで食べるのを覚えてほしいかなぁ」
「……リディアも食べるー?」
全然聞いてないのはわかってたことなので、特に気落ちもせず受け取ったソーセージを口に入れる。
「私から食事を奪って、まさか無事で済むとは思ってないでしょうね…」
「あんたのその言葉はもう聞き飽きたわ」
「飽きるほど聞いてるってことは、これから私がすることも想像がつくわよね?」
「あ、その海苔いただき」
「――『夢想封印』」
食卓が吹っ飛んだ。
「今がチャンスよイサ! この混乱に乗じてさっさと食べ…ってあぁ!」
「この食べ物達はイサちゃんが獲得しました故、これにてさらばー!」
「裏切ったなーーーーーーー!!!」
怒号。雷撃。符の嵐。
まぁ、いつも通りだ。
――それからしばらくして。
「さて、じゃあ朝ごはんを作りますね」
「よろしく」
第一陣が去った荒涼たる食卓に、再び人が集まる。
そうして、私も含めた第二陣の、穏やかな朝御飯が始まる。
「ごはんだー」
食卓に座りっぱなしのアスミも、うん、まったくのいつも通り。
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