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持ち帰ったキャラで雑談 その二

256エンドアの戦い・IF 3/4:2008/02/08(金) 13:52:27
「前方!敵機急降下!」

次の瞬間、強い衝撃が彼らを襲った。弾幕を潜り抜け、満身創痍になった攻撃機が特攻を仕掛けて
きたのである。シールド発生装置や艦橋には影響は無かったが、通信アレイと発電設備が大爆発を
起こしたのである。これにより、指揮と攻撃が全くできなくなってしまったのだ。

「提督!通信アレイ並びに発電室大破!攻撃及び指揮不可能!」
「ダメコンチームを全員差し向けろ!指揮能力だけでも回復させるのだ!」

統制の取れない軍隊ほど弱いものは無い。事実、この戦いの戦没艦の多くは指揮系統が麻痺して
いた時間に撃破されている。しかし、彼の判断は正しかった。攻撃を優先させていたら、それこそ全
滅ものだっただろう。彼らの目の前で、デス・スターは吹き飛んだ。

――第2デス・スター

いまや、デス・スターの全てが崩壊していた。あらゆる計器が危険であることを告げ、壁や天井は崩
れ落ち、あちらこちらで大小の爆発が起きていた。皇帝の計画は自身と共に滅び去り、帝国の崩壊
を示していた。しかし、今はそれを考える余裕は誰にも無い。生き延びることで精一杯だった。

「ああ、もうおしまいだ…どこへ逃げようと言うんだ…」

総督の、いや総督だった彼はとうとう座り込んでしまった。どこのハンガーも、逃げ出してしまったか、
崩壊してしまったものばかりで、彼の逃げる手段は無かった。もっとも、あったとしても、彼は航空機
の操縦の心得は無い。さらに育ちの良い彼は、見苦しく逃げ回るのにも嫌気が刺していた。

「総督!お早くお乗り下さい!これが最後です!」

どこかで聞いたような声だ。見れば、赤いアーマーのクローン・コマンダー…名前はバレイポットとか
言ったか。ヴェイダー直属部隊の指揮官で、デス・スター防衛責任者の一人でもあった。彼らは、来
るかも分からない、彼の為に待っていたのである。背後には廊下から爆発と猛火が迫っている。慌
てて、彼はそのシャトルに転がり込んだ。ハッチを閉める前に、シャトルは上昇し、少し火が入って、
コマンダーのスカートの裾を焦がした。しかし、間一髪で彼らは逃げだすことに成功したのである。

――惑星エンドア・シールドバンカー

この惑星の地上からも、デス・スターの崩壊を望むことができた。原住民と反乱同盟軍が歓声を挙
げる中、帝国軍将兵達は通夜のように静まり返り、時折落胆の声が聞こえたり、親族か友人が居た
のか、すすり泣く者も居た。

「ああ…」

将軍も例に漏れず、頭を垂れていた。しかし、処刑されずに済むかもしれないという、安堵の気持ち
もあった。あの爆発から、2人の暗黒卿が逃れられたとは思えないからだ。

ふと、背後に気配を感じた。スカウトの一人が自分の縄を切っていたのである。思わず、声を出しそ
うになるが、スカウトが人差し指を口元にあてて制止した。小さなナイフだったので数分かかったが、
縄は解けた。そして、シャトルが確保してあるので逃げるようにと言われた。

「…君の名前を聞いておこう」
「レイズです、レイズ軍曹です」
「軍曹、感謝する」

そう言って将軍は、勝利に酔う反徒達の隙を衝いて数人の将兵と共に森に消えた。


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