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持ち帰ったキャラで雑談 その二
250
:
手記、1
:2008/01/27(日) 22:30:26
彼女の話をしよう。
彼女はいつもシングルベッドの隅で小さくなって寝ている。
シングルベッドと言っても、いつも2人――多い時は3人で使うこともある。
部屋の広さに対して人数が多すぎるからしょうがないんだけれど。
彼女は同じベッドを使う子の間では、とても評判が良かった。
とにかく彼女は寝相がいい。
一度眠りについたらピクリとも動かなくなる。
おまけに寝付きもいいから、自分から起きない限りはまず起きようとしない。
何度、急な心臓発作でも起こして死んじゃったんじゃないかと焦ったことか。
これがあのピンクのポニテ娘だとこうはいかない。
何度ベッドから蹴り落とされたかわからない。
それはともかく、彼女は寝相がよく、寝付きがいい。
時折、壁にぴったり貼りついて眠る彼女の顔を覗き込む。
もう日はとっくに昇り、みんなも少しずつ起きだしてくる頃合いだ。
放っておいてもその時が来れば必ず目を覚ますのだけれど、今日は何となく
幸せそうに寝ている彼女にいたずらをしてみたくなった。
仕方がない。だってこんなに可愛いんだから。
頬をつついてみる。
反応なし。
頭を撫でてみる。
反応なし。
身じろぎの一つもしてくれたらさらに可愛いのに。
そんな身勝手なことを考えつつ、その後も耳に息を吹きかけたり鼻をつまんだり
してみたけど、結局彼女は何一つリアクションをしなかった。
結局、今日も諦める。
そうして私は朝の作業に戻る。
フライパンに卵を落とし、トースターにパンを放り込む。
そんなことをしていれば――ほら。
布団にくるまるその姿がもそもそと動き出す。
彼女が目を覚ます時間は、朝食が始まる直前と決まってる。
「おなかすいたー、ごはんだー」
布団が内側から爆発した。
寝相も寝付きもよければ寝起きもいい彼女は、ベッドから起き上がるなり
朝の第一声を響かせた。
長い髪はあちこち飛び跳ね、パジャマは下がずり落ちて白いラインが覗いてるけど、
その顔に浮かんだ笑顔だけは百点満点、完璧だ。
私は告げる。
朝の挨拶と共に、彼女の名を。
――おはよう、アスミ。
彼女の話をしよう。
可愛くて、強くて、私の大切な大切な『妹』の話をしよう。
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