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持ち帰ったキャラで雑談 その二
243
:
憐哀編side春原:三章「諦観の共有」 3/4
:2007/12/24(月) 19:52:38
「ボールでけー。投げますか? イサちゃん遠投は大得意でした!」
「投げねーよ」
僕らは運動場から一つサッカーボールを拝借して、広場の隅へと場所を移した。
「これはこうやって使うんだ、よっと」
慣れ親しんだ感覚。
ボールに触れる回数は減っても、体に染みついた技術は簡単になくならない。
「ヨーヘーかっけー! 驚異のボール捌き、ただしハンドみたいなっ」
「お前ホントは知ってるだろ!」
まぁただのリフティングでも、ここまで驚かれればやった甲斐はある。
「ほら、パス」
「あ、えっ!?」
山なりにボールを送ると、イサはバタバタと手を振って、
顔面でリフティングした。
「……もう少し機敏に動けねーのかよ」
「あはははははははっ!」
「何がおかしいんだよ?」
「ヨーヘーが笑ったから! ボクも笑う!」
口元が知らず歪む。
「そーかよ」
自分の頭と同じくらいの大きさのボールを抱えながらイサが笑う。
それを見ながら僕も笑う。
ムカつくことに、僕はこの時少しだけ思ってしまった。
こんなのも、悪くはないと。
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