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持ち帰ったキャラで雑談 その二

240願いの雪:2007/12/23(日) 21:47:10
「…雪だ」
つまらなそうに窓の外を見ていたコピーエックスが驚いたように目を丸くした。
「ポッケ村は雪山に近いからね、降っても不思議じゃないよ」
鎧の手入れをしていたフヨウが彼の方を振り返る。
まるで子供のように窓から身を乗り出し、雪に手を伸ばすコピーエックスの様子が
普段の彼からは想像もつかず、フヨウは思わず笑ってしまった。
けれど、いつものなら飛んでくるであろう皮肉はいつまでもなく、
不思議に思った彼女は首をかしげて、問いかけた。
「もしかして雪見るの、初めて?」
彼女に背を向けたまま、彼が首を横に振る。
「視察にいったとき何回も見てるよ?…ただ、そこで見たのは
天候操作装置で操作して降らせた雪だからさ」

人だけでなく、天候と言う自然でさえ操作されていた彼のいた場所。

そんな環境だったからこそ、人々の間にはあるジンクスが出来上がっていた。

―曰く、自然に降る雪を見れた者は願いが叶う、と。

(ついでだから、何か願掛けしてみようかな)
柄にもなく、そんなことを思いながら、すっかり溶けてしまった手の中の雪を見つめる。
「そか」
一方、答えに満足したのか、フヨウは再びコピーエックスに背を向け、
今度は盾を点検しだした。
二人の間に流れる、静かな時間。
暖炉では暖かな火が燃え、時折薪の爆ぜる音を辺りに響かせる。
「そういえば」
思い出したようにフヨウが武具を床においたまま、コピーエックスの隣に身を乗り出す。
「昔お父さんに聞いたんだけど、静かにしてると雪が地面に落ちる音が聞こえるんだって」
「ほんとうかい?なんだかにわかには信じられないけどな」
「まぁさ、ほんとかどうかは目、閉じてみよう」
そう言いながら、二人がゆっくり目を閉じ、
「するね」「…ん」
どちらともなく互いの手に自分の手を重ね、
二人は飽きることなく雪の落ちる音をただ静かに聞いていたのだった。
どうやら、天然の雪は溶けてしまっても願いを叶えてくれるのだと、思いながら……


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