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持ち帰ったキャラで雑談 その二

24対峙編       7/7:2007/05/22(火) 22:09:41
「灰も残らず蒸発してしまいましたとさ。はい残念、なんちゃって」
「……何? その無理矢理畳んだ風呂敷みたいな結末」
 凛とした鋭さを宿す、初冬の朝。
 吐く息が白く凍る空の下、彼は傍らの少女と共に、朝露に濡れる木々の中に佇んでいる。
「今のはですね。『灰』と『はい』、『残』ると『残』念をかけた高等な……」
「冗談はいいから。結局、どうなったの?」
「一言で斬って捨てられるといつか泣くので気をつけてください。
 ――俺が生きてるのが何よりの結果提示だと思いません?」
「それは、そうだけど」
 すると彼はアーチェとの対峙に破れたことになるのだが。
「全然残念そうじゃないよね?」
「そも負けても俺は何も失いませんし」
 ただ、と言葉を続ける。
「アーチェに何でも背負わせていたのは、確かに俺の落ち度でしたから。
 それだけは、何とかしたいなーと」
「……それなんだけど」
 リディアはこれまで何度か口にしようとして、しかし出来なかった言葉を、意を決して紡いだ。

「あの夜、帰ってきたアーチェの顔が耳まで真っ赤だったのは、何で?」

 しばしの間。
 それから、爽やかな表情で、一言。
「風邪でしょう」
 虚空から現れた巨大な腕が彼の体を鷲掴む。
「もう少し気の利いた答えがほしかったなー」
「返答ミスで圧死の危険ですか俺。――いや言うのは構わないんですよ。けど」
「けど?」
「言えると思いますか?」
 リディアには、彼の言葉の意味がわからない。
 彼はわずかに息を漏らしてから、おもむろに口を開いた。
「……あの時のアーチェといったr」
 言葉の途中で閃く雷鳴。それは寸分狂わず彼の登頂に直撃する。
「とまぁ、こうなるワケ」
 いつからいたのか、そこには桜色の髪を風になびかせる少女の姿。
 それが当然とでも言うかのように
「……なるほど。予想して然るべき、だね」
 苦笑。
 結局は何も変わることがなく。
 しかしそれ故に得られるものがあるのだと――そう、思う。

                to be continued "星海編"


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