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持ち帰ったキャラで雑談 その二

237冬の音:2007/12/16(日) 23:38:19
茶をすすっていた紫がついと顔を上げて、呟くように言った。
「冬の音ね」
「冬の音…ですか?」
向かいに座り、同じ様に茶をすする早苗が不思議そうに紫を見つめた。
黒目黒髪のごく普通の日本人、といった彼女はそうと嬉しそうに頷いた。
「あの音を聞くとね、いよいよ冬だって気になるの。自分はあの音が好きなんだ」
そう言い、目を閉じて耳を澄ます彼女に倣い、早苗も同じ様に目を閉じる。
そうすると普段は気にも留めない小さな音が―風が落ち葉をさらう音や火鉢のはぜる音が聞こえてくる。
これが冬の音なのだろうか。
そう思い、目を空けかけた時だった。
パキ―
先ほどよりももっと小さな、何かの割れる音が早苗の耳へと入った。
「聞こえた?」
紫が嬉しそうに問掛けた。
「今のは?」
聞き慣れないそれを早苗が問いで返す。
「霜が砕ける音さ。外じゃとびきり寒い日の朝にお日様が当たるとほんの少し聞こえるんだ」
そんな、霜が降りた朝のこと。



静かじゃないと聞こえない、霜が砕ける音
もしかしたら明日の朝は聞こえるかもしれない

皆にとっての冬の音はなんだろう。そう思う、冬の夜


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