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持ち帰ったキャラで雑談 その二

224憐哀編side春原:一章「価値の模索」     1/4:2007/11/25(日) 19:03:02

 一日目 AM 7:30

「ねぇヨーヘー、今日ボクとデートしてくれないかなっ」
 すべてはノーテンキなお子様の、そんな一言から始まった。

 一日目 PM 15:30

 公園には人っ子一人いやしなかった。
 ま、当然だ。こんなくそ寒い中、シーソーも滑り台もベンチすらもないチンケな公園に
足を踏み入れるのは、アホの子かリストラされて行き場のないリーマンくらいのもんだ。
 だってのに、
「ヨーヘー! 見てみて、イサちゃんエベレスト踏破の瞬間!」
 アホの子はサルよろしく、木の上で喜色満面ときてる。
「へーへー、そりゃすごいですね」
「むっ。もっと喜びをわかちあおうというスポーツマンシップはないのか貴様!」
「ねーよ」
 ベンチすらないので、その場に適当にしゃがみこむ。
 溜息が、白かった。
「……ヨーヘー、退屈?」
 ふいに声に元気がなくなる。
 こちらの真意を伺うように、おそるおそる。
「あー退屈だね。こんな何もないとこで、文明人の僕が楽しめるわけないだろ」
「……ごめん」
 がりがりと頭をかく。
 まったくイライラする。
『こんな状況』でなきゃ、とっくの昔に置き去りにしてるところだ。
 僕はこいつから離れるわけにはいかない。
 もちろん、アホの子のためなんかじゃない。僕自身のためにだ。


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