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持ち帰ったキャラで雑談 その二

223月光浴:2007/11/25(日) 15:36:47
 真夜中に、ふいに目が覚めた。
 明るい。
 その眩しさに、光に慣れない目をかばって眇める。
 時計を見れば真夜中の4時半。当然ながら蛍光灯の灯りは消されている。
 頭が回っていなかったのだろう。
 その光がカーテンの隙間から洩れ出でているのに気づくまで、多少の時間を要した。

 十六夜月だった。
 空から降りしきるその光は、夜だと言うのにこの背に影を映しだす。
 月は金色に輝くが、その光は夜色と混ざり溶け合って青く注がれる。
 青。
 それは自分を象徴する色だ。
 きっと私は月なのだろうと、そう思う。
 己の光を持たない月。
 己の心を持たない自分。
 あまりに作為的な偶然にまみれた、自分という存在を照らす光。

 太陽は明るい。明るくて、強い。
 月は儚い。儚くて、美しい。
 私には己の光を持つことは求められていない。
 私には自分で輝くことは許されていない。
 そして――それを嘆くことも、恨むことも出来ない。
 それでも、私は月だ。
 自分で輝くことは出来なくても、光を常に浴び続けることが出来る。
 自分という存在を持たなくても、私は必ずそこに存在し続ける。

 望みはしない。
 求めもしない。

 月の美しさを湛えている限り、それこそが私なのだから。


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