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持ち帰ったキャラで雑談 その二

202生きる術 その一、兎の捌き方2:2007/10/22(月) 23:32:48
血抜きは既に終わったらしい兎を目の前に早苗は戸惑った。
毛皮がついている。耳がある。もろ兎である。
「大丈夫?」
既に包丁を持っている紫に早苗は助けを求めるような視線を返した。
「あの…これ…」
「兎だよ、血抜きはしといたから後は皮剥いで食べるんだよ…って聞きたい訳じゃないよね」
蒼白になった顔を見つめ返しながら、紫は困った様に笑った。
「そうだよね、現代っ子はまず兎とか捌くなんてやらんもんねぇ」
包丁を一度置き、少し考え込むようにうめく彼女―自分とそう年に変わりない彼女とぐてんとした兎を交互に見た。
「でもさ、兎美味いよ」
既に捌き終わったフヨウの笑顔とその手元のギャップに早苗はとうとう意識を失った。


目を醒ました後、失神しかけながらも早苗は生まれて始めて兎を捌く事となった。


「あら、今日は兎かい?」
夕食に現れた神奈子は皿に置かれた焼きたての兎肉を見ながら、嬉しそうに呟いた。
隣では諏訪子が同様に立ち上る香りをかいでいた。
そして、早苗はというと―
「早苗ちゃーん?大丈夫かー?」
「あぅぅぅ…あぅぅぅ…」
すっかり参ってしまった様子で床で倒れ付していた。
「まあ最初にしては上出来だったんだから、いいじゃん。
それにこれからは自分でやらなきゃいけないんだし」
紫のほとんど慰めになっていない言葉にうめき声が返ってきた。
「ほんとにやってけんのかねぇ…」
今更ながら心配になりつつも食欲をそそる香りに負け、箸を取る面々であった。


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