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持ち帰ったキャラで雑談 その二

186確執編十九章:開演の再演       5/6:2007/10/09(火) 21:28:17

 ・三日目 サイド:リディア
  
 当然といえば当然で、私達はやがて力尽きた。
 死なないけれど、力の総量は変わらないらしい。
 お互いに特に示し合うこともせず、『何もない』場所で私達は対峙する。

「あたしはリディアのいいこちゃんぶってるとこが嫌い」
 いきなり、そう言われた――と、思う。
 魔力が乏しくなるというのは、つまるところ気力が尽きるのと同じだ。
 これが眠気なのか、失神直前のあがきなのか、私には区別がつかない。
 落ちそうな意識を、だけどギリギリのところで繋ぎ留め、私は『聞く』。
「優しいのと甘いのは違う。アンタのはただ甘いだけ。
 何でもすぐ自己犠牲的な精神を発揮するとこなんか特に大嫌い。
 そのくせキレると周りをまったく見なくなるし」
 淡々と言葉を紡ぐアーチェ。
 私は何も言い返さない。
 そんなことをするわけにはいかない。

 ・三日目 サイド:アーチェ

 この時点ですでにあたしは確信してた。
 お互いに目的を確認しあったわけじゃない。
 だけど、彼女は確実にあたしと同じものを目指してる、と。

「私はアーチェの無責任なところが嫌い」
 あたしが言葉をなくした段階で、リディアが言葉を紡ぎ始める。
 それは望みどおり――あたしを否定するものだった。
 内心で苦笑しながら、倒れそうな体に鞭を打つ。
 ここであたしだけが倒れたらもとの木阿弥だ。
「天真爛漫なんて言えば聞こえがいいけど、やるべきことをやらないならいい加減なだけ。
 正直者はバカを見るって暗に言われてるみたい。そういう人に支えられて生きてるのにね。
 それと秋生さんのお酒を呑んで暴れた時はオーディンに本気で締め上げさせようかと思った」
 なるほど。こうして聞いてみると、いくらでも出てくるもんだ。
 あたし自身、さっき口にするまで忘れてたようなこともあったし。
 けど、それが当然だ。
 赤の他人同士が一緒に暮らしてて、何の不満も出ないはずがない。
 何で一年以上こんなことが起こらなかったのか、逆に不思議なくらいだ。
 ま、言うまでもなく原因はわかってるんだけど。


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