したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

持ち帰ったキャラで雑談 その二

183確執編十九章:開演の再演       2/6:2007/10/09(火) 21:25:31

 ・三日目 サイド:リディア

「……ここは」
 あたりは水を打ったように静かだった。
 小さな林の中にひっそりと佇む神社。
 普段から静かな場所ではあるけれど、葉の擦れる音くらい聞こえてきてもいいはずだ。
「アイツが……っと、正確には違うか、気を利かせてくれたみたいね」
「ここは一体……」
「アンタは『ここ』に来たことがないわけ?」
 ここ、とはこの場所を指しているわけじゃないだろう。
 音のしない世界。
 誰もいない世界。
「2回だけあるけど……人がいないことくらいしか知らない」
「人がいないんじゃなくて、あたし達がいるんだろうけどね。
 確かなのは、ここなら余計な邪魔も周りへの気遣いも一切無用ってことよ」
 どうやらアーチェは私よりもここに詳しいらしい。
 彼女の方にはアクマが行ったらしいけれど。
 そこで一体、何を見たんだろう。

 けれど、これだけはわかる。
 アーチェはもう迷っていない。
 私と、同じように。

 ・三日目 サイド:アーチェ

「こうやって話すのも随分久しぶりだね」
 揺れる木々の中、なびく髪をおさえてリディアが口を開く。
 あたしはいつものポニーテールだから、顔の前に髪がかかる心配をしなくていい。
 久しぶり。確かに、そうかもしれない。
「あたしは全然そんな気がしないけどね」
 簡単なことだ。
 話してなかった時間より。
 話してた時間の方が、ずっと長い。
「旅行は、楽しかった?」
「ん? まぁまぁよ。金髪と銀髪がバカやって色々大変だったけどね」
「春原と国崎ね。うん、二人はどこにいてもあんな感じな気がする」
「あのバカ共の手綱を引いてたあたしの身にもなってほしいっての」
「多分、一番大変だったのは四葉だったんじゃないかな」
「なんでよ!」
 苦笑するリディア。
 つられてあたしも笑う。

 話してみれば、こんなに自然に触れ合えるのに。
 それでも、あたし達は足りてない。

 お互いに目を合わせないようにしながら、あたし達は無為なことを語り合う。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板