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持ち帰ったキャラで雑談 その二

181確執編十八章:調和という名の歯車     7/7:2007/10/08(月) 17:31:11
「……私は」
 アーチェが言葉を切ったのは合図にして、反対側のリディア様が口を開く。
「アスミに嫌われて、そのアスミに襲われて、やっぱりわけがわからなかった」
 けど、と、
「何より、私は独りになるのが怖かった」
「………………」
「たったの一言が、何もかもを壊してしまうことを知った。
 たったの一言が、大切だったはずのものをすべてゴミにしてしまうことを知った。
 ――たったの一言が、その一言が言えなかったばかりに、道を見失うことを知った」
 リディア様は自分の手を顔の前にかざし、かすかに首を横に振る。
「それに関しては、誰の責任にも出来ない。私自身の問題。
 貴方にはね、感謝してるの。昔抱いた私の『罪』を、思い出させてくれたから。
 ――だから、ね」
 気がつくと、目が合っていた。
 彼女が微笑む。
 ――そしておそらくは、自分も。
「私は、貴方が望むことをするよ」


 全力で平手打ちされた。


 しばらくの間、頬に残る熱の余韻を楽しんだ。
「……ありがとうございます。無償で許されるより、よっぽど心地がいい」
「M」
「はいそこ、変な掘り返し方しない」
 二人、同時に立ち上がる。まるで示し合わせたかのように。
 残った一人は座ったまま、
「俺が干渉するのはここまで。後は完全にあなた達二人の問題です」
「うん」
「わかってるわよ」
 片や穏やかな笑みを浮かべ、片や不機嫌そうにそっぽを向く。
 そうして部屋から出ていく二人を見送ってから。
「……さて、俺はアスミの注意を逸らしておかないと」
 立ち上がる。
 そして独り、つぶやいた。
「あぁ、くそ……ここは寒いな……」


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