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持ち帰ったキャラで雑談 その二

175確執編十八章:調和という名の歯車     1/7:2007/10/08(月) 17:18:12

 ・三日目 サイド: ――――

 吐く息が白い。
 空が高い。
 目の前の建物は白く、
 見上げるほどの高さ。
 不思議な感じがする。
 ありふれた場所。
 ありふれた場所――だった、はずだ。
 違和感。
 ここはどこだろう。
 知っている場所なのに。
 答えを求めることさえ意味がない。
 そんな場所のはずなのに。

 変わったのは世界?
 変わったのは時間?
 変わったのは――自分?

 ・三日目

「『あの高さはどれほどでしょう、と貴方は言っていた』、か」
「? 何です、それ?」
 エプロン姿のリヴァルが、ふいに台所からこちらに声をかけてきた。
 苦笑。まさか独り言を口にした上、その意味を聞かれることになるとは思わなかった。
「いえ――何の意味もありません」
 時計を見やる。
「そういや今更と言えば今更ですけど、この三日間炊事洗濯家事等々ありがとうございました」
「今更――というかいきなりですね」
 と言う割に、わずかに声には喜びがこもっている。
 一昨日早苗さんが作り置きしていったパンは両手を合わせて供養し、
(何しろ食の権化とも言えるアスミでさえ首を横に振り、頑として口に入れようとしない)
 以来ほとんどの家事は彼女に任せっきりだった。
「こういう仕事って、やってて楽しいんです。
 私が楽しめて、皆さんに喜んでもらえたら、それに勝ることはありませんよね?」
「……きれいですね」
「ありがとうございます。そう言ってもらえると、掃除のしがいもあります」
 そういう意味ではなかったが、まぁ、それでいいのだろう。
「さ、そろそろ皆さんも帰っていらっしゃる頃ですよね。
 私は夕食の支度をすませちゃいます」
「お願いします、リヴァル」

 そう。今日は三日目。
 確執から始まり、憎悪を経て、今、辿り着く。


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