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持ち帰ったキャラで雑談 その二

173英雄:2007/10/07(日) 22:53:58
地響きを立てながら、地面に倒れ伏す魔物の横をくぐり抜けながら、ナハトはようやく息をついた。
火を自在に操る相手との戦いはまさに死闘そのものであり、彼もまた無傷ではなかった。
それでも、彼は大地に立ち、魔物は大地に沈んだ。
ナハトにとってそれだけで十分だった。

「ありがとうございます!お陰でこの街は救われました!」
証拠の魔物の角を持ち帰った彼を出迎えたのは人々の歓声と憧れ等が混じった視線だった。
「この村を救ってくださった貴方様こそまさに英雄にふさわしい!」
禿げかかった街長の言葉を無言で聞きながら、彼は杯をあおった。
皮肉な話である。彼は元々忌み嫌われる破壊と破滅をもたらす負の血族。
それを英雄と呼ぶ彼らは滑稽以外の何者でもなかった。
英雄というのは、とナハトは抱きつこうとする女を払い退けながら、思う。
英雄というのは、そう、命を賭して大切な者を守ろうとする、弱く、誰よりも強い彼女の事だろう。
ああ、本当に滑稽だ―
彼はほくそ笑みながら、再び酒で満たされた杯を傾けるのだった。


英雄の定義と闇の剣士のお話


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