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持ち帰ったキャラで雑談 その二

169ここより続く道、6:2007/09/25(火) 21:50:54
「あの。準備が、終わりました」
 視線を遣る。が、姿は見えない。
 世界は闇色に溶け込み、視界は夜色に染まる。
『代理人』との他愛ない会話は、時間を忘れるほどには充実していたようだ。
 ――いや、そんなことよりも。
「フォズ、ですよね?」
「え、あ、はい」
 応えが返ってきた直後、言葉が「証明」された。
 光が灯る。
 電気? そんな無粋な光ではない。婚礼衣裳のように彼女を包む、純白の光。
 佇むのは、10歳ほどの少女。
「御挨拶が遅れました。お久しぶりです」
 利発そうな大きな瞳が、下げられて降りた髪に隠れた。
「確かに。こうして面と向かって会話するのは、久方ぶりですね」
「久方ぶりの再開。ロ(ryコン観測者、大興奮」
「黙れ戯言代理人」
 困ったような笑みを浮かべるフォズ。
 それにしても、
「準備――とは、一体何のことです?」
 そういえば、と。さっきイサも同じようなことを言っていたことを思い出す。
 フォズは瞳を意外そうに揺らした。
「え? あの、そちらの代理人さんからは、何も?」
 首は動かさず、黒瞳だけを彼女に向ける。
「知ってることを吐け」
「『教えてください、セクシィでビューティフルな代理人さん』。はい復唱」
「知ってることを吐きやがってください、リスキィでデンジャラスな代理人さん」
「よろしい」
「いいんだ」
「ディアからの伝言です。『パーティの準備が終わるまで部屋で待っていてください』」
「……準備が終わってから言うことでは?」
「ありませんが何か」
「…………」
「いやー、犯されるー」
「誤解を招くことを大声で言うな!」
 こほんと、咳ばらい――したのは自分ではなく、フォズ。
 唐突に『代理人』との子供じみたやり取りに羞恥心が湧いてくる。
「……ともかく、こちらの準備は終わったので、早く来てほしいとのことです」
「はぁ、それはいいんですが……」
 尾ひれを跳ねさせる人魚姫さながらに、ぱたぱたと足を動かす。相変わらず縛られたままだ。
 フォズは初めてそれに気づいたようだった。怪訝そうに、
「何をなさっているんです?」
「趣味なんです。緊縛が。Mなので」
「フォズー、このイカれたお姉さんの言うことは無視していいですからねー」
 結局、縛られた足はフォズの魔法で解放された。


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