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持ち帰ったキャラで雑談 その二

165ここより続く道、4:2007/09/19(水) 22:54:17
 というわけで暇だった。
 何が「というわけで」なのかを解説すると、
 1:イサ、泣きながらイスカンダルへと再出航。
 2:アスミ、食糧がないことを悲観して失踪(単に別の部屋へ移っただけとも言う)。
 3:残された一人、身動きも満足に出来ず放置プレイ。
 空間は静かだった。何せ自分以外誰もいない。
 隣の部屋から時々聞こえてくる喧噪がまた哀れを誘う。
 そもそも理不尽ではないだろうか。
 望んで来たのならいい。フォズの着替えを覗いた末路だと言うなら、この仕打ちも甘んじて受けよう。
 自分はここに誘拐されてきたのだ。
 ――とここまで頭を巡らせて、あれ誘拐ならこの監禁的状況もおかしくないかと妙な納得感に包まれる。
 つまり。これは。
 俺を誘拐して身代金を要求しようとする――
「なんて卑劣な犯罪……」
「いきなりわけのわからないこと呟いてるし」
「うわっ!」
 声が聞こえてきたのは頭の後ろ。
 振り返る。
「こんにちは、『観測者』」
 目の覚めるような蒼が佇んでいた。
 髪も青なら、着ている服もほぼ青一色。
 胸に描かれた金の十字架が、何故だろう、恐ろしく似合っている気がしてならない。
 無論、ずっとそこにいたわけではない、はずだ。
 しかし声を聞くまでそこに『いる』ことをまったく知覚出来なかった。
「……影が薄いのか」
「わけのわかるすっげー失礼なこと呟いてるし」
 淡々とした口調。そこには感情の欠片も伺えない。
 世界の終わりを韻律で表現するなら、こんな音になるのではないだろうか。
 すべてを見据えた上でそれらを片っ端から見下すような――
そんな極地を『限りなく希釈した』、まぁつまり単なる無味乾燥な声。
「すっげー失礼な奴にはすっげー失礼な対応をしろと師匠から教わりました」
「あえて聞きますが……師匠とは?」
「私」
 自分かよ! とツッコむのに気を取られてるうちに腕を縛られた。
 ごく自然に、縛られた。
「…あの、これだと完全に一人じゃ身動き取れないんですけど」
 足縛り + 腕縛り = 推してシルベスタ・スタローン。
「青虫や蛇は動けるじゃない」
「人間と比較してください頼みますから」
「今の貴方、とっても素敵」
「手放しで誉められても現状に満足したりしませんから」
「…………チッ」
 舌打ちしたいのはこっちだ。
 いや、心底から。


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