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持ち帰ったキャラで雑談 その二

161ここより続く道、3:2007/09/17(月) 19:55:09
 ――さて。
 ある程度落ち着いてから見回してみると、何かがおかしなことに気づく。
「あの、イサ?」
 人の真ん前で胡坐をかいて座っている姿に問いかける。
「ん、何かな何かな?」
 イサと呼ばれたその姿は、持っていたコミックから視線をこちらに向けた。
 少年や少女という形容はあまり相応しいとは言えない――故にどちらも相応しいと言える、そんな『少女』。
 それがイサだ。
「何で俺は足を縛られてるんです?」
 ――むしろ最初に気づけと言う感じだが。
「決まってんじゃん、動けなくするためですだよ!」
「敬語とタメ口が混在してカオスと化してます。それにそれは聞きたい回答じゃありません」
「難しいこと言うね! 謎人!」
「いえ言ってません。あの…俺の言葉、通じてます?」
「ジャパニーズ日本語通じてます! ハラキリ、ゲイシャ、カネカエセ!」
「決死の覚悟をした芸者から金まで毟らないであげてください」
「あはははは! 面白いねおじさん! ボク大好き!」
「………………」
 笑われたことに腹を立てるべきか。
 大好きと言われたことに喜ぶべきか。
 ――おじさんと言われたことに凹むべきか。
 とりあえず一番インパクトのあったラストに沈むことにする。
「リディア様とかは何をしてるんです?」
 日本語が――いや、そもそも人間としての会話が成立するのかと思いつつ、
如何せん相手が目の前の悪魔しかいない現状では、いい悪いに関わらず話しかけるしかない。
「ディア? 朝から何かやってるよ! ボ……ワタクシサマは詳しいことは知らないかな!
 ってか、知ってても言うなって言われてる!」
 と、言うことらしい。
 それにしても度重なる脳への衝撃の後に、この廃テンションに市中引き回しの刑にされるのはかなりこたえる。
 せめてもう少しまっとうに会話できる人材はいないのかと、思索を巡らす。
 リヴァルやフィーナなんて贅沢は言わない。せめて霧香か杏ぐらいの常識度はほしい。
 というのを(具体的に述べるのは伏せ、ニュアンスで)イサに伝えると、
「おっけー了解! イサちゃん承りまくりましたでござる!」
 いつの時代の日本語だ、と言いたくなるのをこらえる。
 きっと彼女には1000年ぐらい未来の日本語を1Tビットの脳内無線LANで受信する機能でも備わっているのだろう。
 何にせよこちらの日本語を理解した(らしい)イサは、窓から勢いよく飛び出して行った。
 ――その光景も、何とはなしに懐かしい。
 しばらく独りの退屈な時間を過ごす。何しろ動けない。
「イサちゃん無事帰還! ただし乗組員全員逃亡、ドゾー!」
 どこが無事なんだ、と言いたくなるのをこらえる。
 何せ相手は1000年後だ。10世紀だ。ドラ○もんでさえ1世紀の差でギガゾンビに負けたというのに。
 で、その無事(?)に帰還した宇宙戦艦イサは、
「おなかすいたー、ごはんだー」
 わざわざ、遥か遠くのイスカンダルから、
 常識度皆無、絶無、それはもう完璧にゼロの娘さんを連れてきてくれた。
「……………………………………イサ、ちょっと来てもらえます?」
「ごほうび? ワタクシサマにごほうびですね? 謹んで強奪させていただきます!」
 嬉しそうに近寄ってくるイサの頭を両手で掴み、
 振り回す。
「自分の脳みそを、一体、どこに、置き忘れてきたんですか、あなたは?」
「うぎゃー! 暴力反対だよおじさん! ボク大嫌い!」
「繊細な硝子のハートをハンマーで殴りつけるのはこの口か? この口か? あぁこの口か」
「うにゃににゃににゃにゅにゃにょ!」
「おなかすいたー、ごはんだー」


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