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持ち帰ったキャラで雑談 その二

160ここより続く道、2:2007/09/17(月) 19:50:27
 目が覚めると、そこは楽園だった。
 即座に理解する。
「あぁ、俺、死んだのか……」
「アンタはいいけど、あたし達まで死んだことにしないでくれる?」
「天国でも理不尽な物言いをありがとう」
 かぶりを振って起き上がる。
「いきかえったー」
 視界に収まっていた顔のひとつが横に転がる――落ちた。
「? ……? ここはどこだー」
 足をバタバタと振り回す。頭から床に落下したにしては元気なセリフだ。
 それでも気にはなるので、スカートの大輪を咲かせた花をどかしつつ見下ろす。
「大丈夫ですか?」
「あ、はっけー」
 満面の笑み。こちらは苦笑交じりに溜息ひとつ。
「…あなたは全然変わりませんね、アスミ」
 この性格が一年やそこらで変わるはずもないが。
 見回してみれば、なるほど、ここに彼女達がいる理由が理解できる。
「いつの間に……」
 半年前まで日常を過ごした場所が、そこにはあった。
 何も変わってない――そう感じるのはただの錯覚か、あるいは幻想だろう。
 無駄に書籍が積まれていた場所には箪笥がある。
 寝袋を置いていた場所にはハンガーラックがある。
 自分の存在した痕跡には墓標が立てられている――は、自虐が過ぎるか。
「アーチェですね?」
 ここまで歩いて来た記憶は、当然だが、まったくない。
 というか窓をブチ割られた直後に脳天強打されたあたりからプツリと糸が途切れている。
 とりあえず主犯格を犯人扱いしてみる。
「違うわよ」
 即答。まるで質問されるのを予想していたかのようだ。
「アーチェですね?」
「違うってば」
「アーチェです」
「わかってんならいちいち聞くなバカ!」
 雷撃。というか逆ギレ。


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