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持ち帰ったキャラで雑談 その二

153確執編十七章:悟りの終着点      11/12:2007/09/06(木) 23:24:17
「あれ?」
 気がつくと地面にへたりこんでた。
「…アーチェ?」
「え? あれ?」
 戦いの気配はすでにない。アクマが丸ごとどこかへ持ち去ってしまった。
 あたしは安心したんだろうか。
「どうして、泣いてるの?」
 わからない。
 あたしにもわからない。
 何でか涙が止まらなかった。
 悲しいわけじゃない。特に嬉しいわけでもない。
 それどころか、ここ数日で一番落ち着いてると言っていい。
 なのに、何でこんなに涙が出るんだろ。
 涙腺が壊れたんじゃないかと、自分の体が心配になってくる。
「あー、ごめん。あたしのことは気にしないで。ホント、何でもないから」
 セリスは無言でこちらの顔を覗き込んでる。
 昨日といい今日といい、セリスの前では泣いてばっかりだ。

「ありがとう、アーチェ」

 目を見開く。
「何で…お礼を言うワケ?」
「あなたは私に見せてくれたもの。
 ――人はわかりあえる生き物だってことを」
「今の戦いの中に、そんな場面あった?」
 特にあたしなんか魔法連発してただけだ。戦いというより魔法のバーゲンセールって感じ。
 セリスは意外そうに眉を上げた。気づいてないのかって顔だ。
「うん、そうだね。それがあなたであり、だからこそ私はそれに喜びを覚える」
 いや本気でわけわからないんですけど。
 まだわからないの?、という言葉の後に繋がったのは、

「だってあなたは私を、私はあなたを理解してたじゃない」

 ――あぁ、そういえば。
 生まれたばかりの赤ちゃんも、同じように泣いてるっけ。


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