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持ち帰ったキャラで雑談 その二

152確執編十七章:悟りの終着点      10/12:2007/09/06(木) 23:23:13
「…………っ!」
 ――初めて。
 アクマの顔に動揺が走った。
 二度も『殺された』身だ。胸がすく思いを感じたって、あたしは悪くない。
「貴様の敗因を強いてあげるとするなら――」
 セリスの手には最初に弾かれた剣が握られ、
「アーチェを考えなしの無鉄砲と判断したことだろう」
 アクマの胸を貫いていた。
 それにしても考えなしの無鉄砲ってどういうことだ。
「あなたが、魔法を乱発したのは……」
 アクマの双眸は己を刺し貫いたセリスをまったく見ていない。
 まっすぐに、あたしだけを見ていた。
 あたしが男だったら、そのまなざしだけで惚れちゃったかもしれない。女で良かったわ。
「セリスを解放するためよ」
 セリスの剣はあらゆる魔法を『斬る』。
 どれだけ力をぶつけても彼女は傷つかないと計算したんだ。
 あのアクマが、小さく息を漏らした。
「まったく。人間とは、愚かであるが故に時に興味深い」
 その顔にもはや感情の色はない。苦悶の色なんて最初から感じさせない。
「もっとも、関心を割いてまで突き詰めるほどのものではありませんが」 
 セリスが横に剣を薙ごうとしたのが、体の動きでわかった。
 決まれば致命傷だ。下手したら両だ……やめよ、考えるとひたすら怖い。
 そしてそれは呆気なく叶えられた。
「……ちっ」
 小さく舌打つセリス。
 その手に握る剣には、血の一滴もついてない。

 アクマの姿はその残影さえも残さず、夢のように虚空へとかき消えてた。


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