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持ち帰ったキャラで雑談 その二

151確執編十七章:悟りの終着点       9/12:2007/09/06(木) 23:21:58
 詠唱は一瞬。
 あたしが放った雷撃は、アクマの一撃と相殺して虚空に消える。
「魔法合戦なら、アンタにだって負ける気がしないわ」
 アクマの手に光が宿る。
 純粋に魔力のみを凝縮させた力の結晶。
「それで? あなたは自分の力を肯定するのですか?」
「あたしはあたしのやりたいようにやるだけよ。今も、そしてこれからもね」
 どうしてこんな簡単なことを忘れてたんだろ。
 思い出した今となっては、逆に思い出すことができない。シーソーの両端に括られた思考。
 あたし自身があたしを信じられる行動をとる限り、あたしは決して間違わない。
 反省することはあっても、後悔はしない。

 それこそがこの世界であたしが唯一信じられる『正しさ』だ。

「それがあなたの結論ですか」
 魔力光を、握り潰す。
 反射的に後ろへ跳ぶ。結果的にそれが時間の猶予をもたらしてくれた。
 アクマを中心として、無数の錐が地面から生えてきた。
 さらに錐からはまた別の錐が、その錐からまた別の錐がというように、次々と増殖していく。
 たちまち錐で象られた茨で埋め尽くされた。
 それは範囲を広げ、あたしの方へと襲いかかってくる。
「アースクエイク」
 大地が裂けた。
 あたしの魔法は錐を飲み込み、砕き、勢いを殺さないままアクマへと走る。
 周囲を錐に囲まれたアクマは動けない。さながら自分で檻を作ったようなもんだ。
 と、思ったら。
 錐が一瞬で薙ぎ払われた。アクマの振るったたったの一閃で、だ。
 その衝撃だけであたしの魔法もねじ伏せられる。
「出でよ、神の雷!」
 全力の雷はアクマが上空へ投げ上げた魔力塊で爆砕。
「メテオスォーム!」
 飛び交う隕石群を、もはや魔法すら使わず素手で粉砕。
「児戯ですね」
 言いながら長髪をかきあげる仕草が悔しいほど様になっている。
「たとえどれほど魔力が優れていたところで、私に勝つなど不可能です」
「……そう。いつもそうよね」
 小さくため息。魔力の使い過ぎで息が切れたってのもある。

「あんたみたいに桁違いの力を持ってる奴って、大抵そうやって人をみくびんのよ」


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