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持ち帰ったキャラで雑談 その二

148確執編十七章:悟りの終着点       6/12:2007/09/06(木) 23:13:02
 この前と違い、アクマはセリスと積極的に斬りあおうとはしない。
 魔法を使った遠距離攻撃を主体として、極力距離を置こうとしてるように見える。
「翼なしで私と斬り合うのが怖いか?」
 そう。完全に対等な条件下でなら、セリスの剣技はアクマより上だ。
 これまでも何度かアクマの剣を弾いて隙を作ってもいる。
 詰め切れないのは一重に多彩な魔法技術のせいだ。
「怖い、という感情は持ち合わせていません」
「なら知ってみるといい」
 激しい金属音。腕力でアクマが勝っても、セリスはそれを技量で受け流す。
 アクマの剣が流される。剣の素人なあたしでもわかる、隙。
 不自然な体勢でアクマがそれでも剣を揮う。けどそれをセリスが払ったら終わりだ。
 実際、その通りにセリスは動いた。
 そしてそれが勝敗を決した。

 セリスの剣が『斬られた』。

 一瞬、何が起こったのかわからなかった。
 それはあたしだけじゃない。あのセリスが、戦闘中に動揺をはっきりと出している。
 折られたのとは違う。
 まるでバターをナイフで切るみたいに、きれいに剣身が断ち切られてた。
『それ』に気づいたのは一拍遅れてから。
 金属の輝きとは異なる、淡い銀光がアクマの剣から発せられている。
 ――剣に魔力を乗せたまま斬ったんだ。
 どうすればそんなことが可能なのか、あたしにはさっぱりわからない。
 卓越した魔法技術とそれを駆使する力量あって初めて可能となるスキル。
 セリスでさえ予想できなかった一撃。
「それなりに楽しませてもらいましたよ」
 アクマが軽く手を払う。その手に握っていた剣が消えるのと同時、セリスの周囲を紫色の障壁が囲む。

「では、本題に入るとしましょうか」
 そうしてアクマは初めてはっきりとこちらに視線を向けた。


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