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持ち帰ったキャラで雑談 その二
147
:
確執編十七章:悟りの終着点 5/12
:2007/09/06(木) 23:12:02
ほんの三日前まで普通に見てた顔。
二日前には言葉も交わした声。
それなのに、何故かひどく違和感を感じた。
――今あたしの目の前にいるこいつは、本当にあたしの知ってるアイツと同一人物だろうか。
「彼女はまた随分と派手にやってるようですね」
「アンタが指図したんでしょ?」
舌が乾いて言葉がうまく出ない。
何であたし、こいつ相手にこんな緊張してんだろ。
「俺は負かせと言っただけ。手段はすべて彼女に一任してます。
一応ハンデはつけるよう言ったんですが…まぁ、いいか」
それはここ数日のあたし達に対する言葉にしては、あまりにも軽かった。
「ふ…ざけんじゃないわよ!」
一拍遅れて叫びになった。
「何が負かし続ける、よ。そんなワケわかんない理由であたし達をこんなメに遭わせてるっての!?」
「それは誤りですね」
一太刀で切り捨てられた。
「あなたはもう理由に気づいてるはずです。ただそれを認められないだけでしょう?」
「…………!」
わかってはいる。わかってはいるけど、それでもこんな時は腹を立てずにいられない。
こいつはこちらのすべてを把握してる。してる上で、すべてを動かしてる。
普段はまったく感じない――いや感じさせないそれを、今あたしは痛いほど味わってた。
「一方的に負けて終わりにしますか? それもいい、アクマとの契約は今日までですし。
――ただし」
次の一言に、あたしはこれまでの何よりも動揺した。
「リディア様は、これに確かな価値を見出しましたよ」
気づくと、アイツはもういなかった。
最初からいなかったのかもしれない。あたし自身が望んだ幻とは、思いたくないけど。
――リディアは、あたしとは違うと。
そう言いたかったのか。
あるいはあたしが無意識にそう思ってたのか。
それは劣等感? まさか嫉妬、なんて心底考えたくもない。
これに価値があるというなら。
それは自分の負けを肯定したってこと。
自分が足りてないことを、劣ってることを認めて、それでも前に進むと決めたってこと。
――このまま彼女と再会して。
果たして、あたしはリディアの顔をまともに見ることが出来るだろうか。
まっすぐにあたしを見てくるだろう、その瞳に対して、
自信を持って見つめ返すことが、出来るだろうか。
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