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持ち帰ったキャラで雑談 その二

146確執編十七章:悟りの終着点       4/12:2007/09/06(木) 23:09:17
 雷の集中砲火がやんだ。
 アクマの右手にはすでに剣が握られている。
 神速の斬撃を彼女は片手で受け止めた。
 誰の? そんなの、言うまでもない。
 いつのまにかさっきとは別の剣をその手に携えたセリスは、雷直撃の余韻も残さずアクマと切り結ぶ。
「興味深い」
 片手でセリスの剣戟を抑えていたアクマが、ふいにその澄んだ声を紡いだ。
「相殺とも違う。強いて言えば――吸収でしょうか」
 セリスの力のことを言ってるんだろう。
 それはあたしも興味があった。
 なんて言うか、セリスのあの力はおかしい。絶対に普通じゃない。
 魔法の完全キャンセルなんて聞いたこともなかった。
「随分と余裕だな」
「そう思うなら、もっと追い詰めさせてみなさい」
 アクマの剣が青白い輝きを帯び始める。
 あたしでもわかる。あれは『斬るための力』だ。
 セリスも気づいたんだろう。一瞬で距離を離す。
 そして、アクマの一閃。
 その一撃はかろうじて原型を留めてたプラットホームをきれいに両断してセリスへ疾る。
 対するセリスは剣を鞘に納めて構える。剣閃に対して、抜剣。
 ――なんてーか、もうムチャクチャだ。
 雷を槍の形状に変化させたり、剣に魔力を乗せて『斬る』ことに特化させたりするアクマの技術もそうだけど、
それらをことごとく斬り捨てるセリスの力も桁外れ。
 今のあたしじゃ決して届くことのない世界。
 わからない。
 何故ここにあたしはいるんだろう。
 戦う意志も。
 覚悟も。
 力さえもない。
 そもそもそんなもの望んでさえいない。

「それで何もせずここでくすぶってる、と」
 振り返る。
 飄々とした姿が、そこにあった。


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