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持ち帰ったキャラで雑談 その二

137埋葬、10:2007/08/11(土) 23:42:51
「リディアー、ごはんおいしー」
 一対の箸をフォークのように掴んで口の中にかきこむせいで、
アスミの食事機能にはデフォルトとして「口の周りを汚す」と「床にこぼす」が備わっている。
 それをすべて世話するのがリディア様の日課だ。
「ありがとう、アスミ」
 時折ハンカチで彼女の口の周りを拭う。
 最初の頃は食事を邪魔する行為として嫌がっていたが、最近は素直に受け入れるようになったようだ。
 落ち着きのない妹の世話を焼く姉を見ているようで微笑ましい。

 これは余談だが、アスミは時々地下室で歌っていることがあるようだ。
 地下室には通気口のための穴が何箇所かある。中には部屋と繋がっているものも。
 それが伝声管の役割を果たしたのが、枯れ尾花の原因になったようだ。
 アスミが地下室で一人歌っていた理由は、不明である。

 箸を動かすアスミの動きが止まった。
 怪訝な顔で見やるリディア様。
「これおいしー」
「うん、どうしたのアスミ?」
 すっ、とアスミが皿を差し出した。
 もういらない、というジェスチャーではないだろう。それは天地がひっくり返るよりもありえない。
「……食べるー?」
 リディア様の目が大きく見開かれる。

 ――独りは嫌だと、彼女は言った。

 それはつまり、今は独りではないと。
 自分達は「認識されている」と。
 そう、思っていいのだろうか。

 にこりと笑って、皿を受け取る。
 言う言葉は、月並みで、ありふれているかもしれない。
 だが、だからこそそれはそこに存在し続ける。
 忘れることのない、確かな想い――

「ありがとう、アスミ」


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