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持ち帰ったキャラで雑談 その二

136埋葬、9:2007/08/11(土) 22:40:58
「……それで?」
「いえ、それで終わりです。その後すぐあなた達と合流して、以降は説明する必要ないでしょう?」
 アーチェは口を結んで難しそうな顔をした。
「んー、結局何だったワケ?」
「いや俺に聞かれても」
 アスミが何を見て、誰と会話していたのか。
 それはアスミにしかわからない。
 彼女は嘘をつかないが、すべてが彼女の妄想だったとも考えられる。
 だが――
「『あそこ』では、そんなことがあってもおかしくないような気もする、かな」
「あそこって、話に出てきた廃墟のこと?」
 頷く。
「多分、数十年前まではどこにでもある普通の家屋だったんでしょう」
「森の中に一軒だけ立ってて普通もないもんだけど」
「いえ、その頃はまだ森じゃなかったんだと思いますよ?
 あそこまでの間に生えてた木はそんなに生長しているようには見えなかった。
戦争時代、家と一緒に多くの木々も焼けたんでしょう。あれは植林されたものです」
「じゃあ、その廃墟は……」
「多分、戦争時代に焼け残ったんでしょう。もっと昔の可能性もありますけど。
 取り壊すのにも費用がかかるから、そこに放置された」
「…………」
 上を見上げる。
 部屋の中だ。見えるのは天井でしかない。
 昨夜のアスミには、空に還る誰かの姿が映っていたのだろうか。

「そうしてあの建物は『埋葬』されたんです。
 ――森という棺の中に、ね」


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