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持ち帰ったキャラで雑談 その二
135
:
埋葬、8
:2007/08/11(土) 22:18:06
結局、その声が途切れるまで自分もリディア様も動けなかった。
アスミは虚空を見据えて立っている。
その体をリディア様が無言で抱きしめる。
「あついー、はなれろー」
ふいにバタバタと暴れだすアスミ。
そう、アスミだ。こんな間延びした響きを彼女以外の人格が出せるとは思えない。
ぱっとリディア様が手を離す。アスミは猫のように体を軽く震わせ、満面の笑みを浮かべた。
「体は大丈夫? おなかとか痛かったりしない?」
「たくさん元気ー」
ぱたぱたと手を上下に動かす仕草が、彼女なりの元気の表現法らしい。
こういう時、虚飾や虚勢のないアスミの言葉はありがたい。
素直に安堵することができる。
「何で、こんなところに一人で来たの?」
その声には非難の響きが含まれている。
アスミも敏感に感じ取ったようで、ぱたぱたをバタバタに変えて、
「一人じゃないー、いっしょー」
そう言った。
思わず首を傾げ、リディア様と顔を見合わせる。
「誰と…一緒だったの?」
「いっしょー、あっちこっちー、いなくなったー、おいかけるー」
ついには部屋の中を駆け出しながら、右手を矢印にしてくるくると回り出す。
「アスミ落ち着いて…ねぇどうしよう?」
リディア様が自分に意見を求めるのも珍しい。
だが、それには応えない。
「一人はやー、いっしょー、いっぱい一人ー、いくなー」
「今はもう、いないんですね?」
ぴたりとアスミが動きを止めた。
「いないー、いっしょはくるしー、うたってばいばいー」
リディア様の目から、涙が溢れ出した。
何故かはわからない。わかるような気がしても、それはきっと錯覚だろう。
アスミは変わらず満面の笑みを浮かべながら、
矢印の形にした右手で、空を指差していた。
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