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持ち帰ったキャラで雑談 その二

133埋葬、6:2007/08/11(土) 21:13:02
 静止するより早く、リディア様は一人廃墟の奥へと駆け出した。
 彼女が何を考えたのかは想像に難くない。
 幽霊にアスミが憑かれた――そんな可能性を一笑に付すことが、何故出来る?
 慌てて彼女を追いかける。自分がいたところで足手まといにしかならないことは自覚しつつ。
 近づくほどに届く声もはっきりとしたものになった。
 眉を潜める。

 ――The place changes and goes. Like a wind, like clouds
 ――Like the traces the heart, no halt at the places

 耳に届く歌詞は英語のもの。さらに言えばその曲を自分は知っている。
 だがそんなことよりも、
 ――この声で、この曲を知っている人物……?

 リディア様はすぐに見つかった。
 そして、彼女も。
 気のせいか、彼女は暗闇の中でぼんやりと光っているように見えた。
「アス、ミ……?」
 そう呼びかけたのは自分か、リディア様か。両方だったかもしれない。
 疑問を帯びた口調であることは自覚していた。
 何故か?
 別に彼女が普段とまったく異なる姿をしていたわけではない。
 さすがにいつもの花のように広がったスカートではなく、歩きやすいパンツルックではあったが。
 まして空を飛んでいるわけでも、奇行を繰り広げているわけでも。
 あるいは彼女を知る人物にしてみれば、奇行と表現してもおかしくはないかもしれない。
 ――さて、彼女とは誰か。
 言うまでもない、アスミだ。

 正確には、アスミの姿をした、『誰か』。
 それが、歌っていた。

 ――The place is so far away, be far apart
 ――People's hand does not reach, so merely has the worship

 アスミの声で。

 ――The place is a profound load, and wear the vain faint light
 ――But we will find it in the place. The hut at which it stands still

 あるいは、幽霊の声で。


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