[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
持ち帰ったキャラで雑談 その二
132
:
埋葬、5
:2007/08/11(土) 20:30:40
ここは一体なんだろうか。
森の中を、歩いてきたはずだった。
しかしそこに現れたのは、明らかに人間の手によって作られたとしか思えない建造物。
周囲には何もない。
正確には、人工的なにおいを感じさせるものは、何も。
道さえなかったのだ。当然ながら、人が住んでいる気配はない。
森の中にぽつんと立つ、忘れられた廃墟――
「アスミは、この中ですか?」
こくりとうなずく。
足もとに気をつけながら、とりあえず一歩踏み入れる。
そして――自分の認識が間違っていたことに気づいた。
ここは忘れられたのではない。
棄てられたのだ。
「……聞こえる」
何が、と問うより早くその声は自分の耳にも届いた。
格子の外された窓枠から、まるで無粋な侵入者を咎めるように大気を揺らす緑の喧噪――
その中にあって、かすかだがはっきりと鼓膜を震わせる意味ある韻律、あるいはその羅列。
「これ……あの声だ」
「その指示代名詞に該当する具体的名称を共有してください」
「本当に好きだよね、わざわざ回りくどい言い方するの。
だから、幽霊。時々聞こえるあの声とおんなじ」
リディア様の声はわずかだが震えを帯びている。
耳を澄まして聞いてみる。
その声は、廃墟の奥から聞こえてくるようだ。
もともと大きな建物ではない。届く声がおぼろげなのは遠いからではなく、声量が乏しいのだろう。
しかし何より関心を覚えたのは、
「……なるほど」
正直、アーチェやリディア様の言葉には半信半疑だった。
聞いたことがあるような気がするのに、聞き覚えのない――そんな形容で飾られる声など経験がない。
だが――それ以外にどう形容のしようがあるというのか。
二人と同じ表現しか思いつかない自分が、そこにいた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板