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持ち帰ったキャラで雑談 その二
119
:
確執編十六章:同志の見極め 4/6
:2007/07/17(火) 21:33:16
「私には…よく、わからないけれど」
今のセリスの顔はさっきまでの大人びたものと対照的に、ひどく幼く見えた。
「わかりたいと思うことは、そんなに罪深いことなの?」
「………………」
「誰だって、知らないものは知りたいと思う。知の探求は人として当然持ってるものよ。
人が当然持ちうるものが、人が当然抱く感情の妨げになるものかしら」
「それはつまり…あたしが間違ってるって言いたいワケ?」
「そうね。私が思うに、だけれど」
はっきり言ってくれる。好き嫌いの分かれるタイプだ。
「本当はあなただって気づいてるんじゃない?
ただ、あなたはリディアを肯定できないから、都合のいいように理屈を捻じ曲げてる」
「…全部わかったような言い方しないでよ」
「ごめん。私は『好き』を知らないから、わかった気になって語ることしか出来ない。
けど、あなたは違うよね、アーチェ?」
・二日目 サイド:アーチェ PM10:00
あたしはリディアの何を知ってたのか――か。
湯船から生える自分の手を何とはなしに眺めながら、物思いの海に沈みこむ。
友達だったのは、間違いない。
彼女があたしを理解してるくらいは、あたしも彼女を理解してた。
――そう感じてたのは、やっぱり幻想だったんだろう。
だからあたしはあの時のリディアの言葉に耐えられなかった。
裏切られた――そう思ってしまった。
「どしたの、アーチェ?」
「んー。色々ねー」
「悩んでるあんたって、ものすごく違和感あるわ」
「どーゆー意味よそれ」
「セリスと何かあった?」
「…………」
間違いじゃないけど、正しくもない。
一瞬答えに窮したあたしを、杏は肯定と受け取ったらしい。
「悪いヤツには見えないけどね。近づかないけど、突き放しもしないみたいな?」
「そんなことない、セリスはヤな奴よ……って言ったらどうする?」
「もちろん、セリスと話に行くわ」
言って、口元を笑みに歪める。
やっぱり杏もいい奴だった。
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