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持ち帰ったキャラで雑談 その二

114君が居なくなるその時まで 1/2:2007/07/15(日) 14:29:01
「フランドール」
声に振り替えれば、日傘を差したレミリアが立っていた。
フランドールは手にしていた花を置くと傍らに置いておいた日傘を手に立ち上がった。
「少し歩かない?」
小さく頷いて、二人で歩き出す。
あれから、こうした晴れた日に姉妹で散歩するのが日課になっていた。
本心を言えば、フランドールはこれが嫌いだった。二人だけで歩く事が嫌応なく居た筈の存在を意識してしまったから。
いつも変わらない門番の横を通り抜け、湖の近くまで歩く。
「あ、蝶々」
二人の目の前を一匹の蝶が横切る。
「見たことない蝶ね、なんていうのかしらね?」
「私知ってるよ、あれはねアサヒヒョウモンって言うんだよ」
どこか寂しそうに、懐かしそうに言うフランドールにレミリアはただ無言で舞い踊る蝶を見つめていた。
「アサヒが、言ってたもん、俺の名前はあれから貰ったんだって、紅が、そう付けて、くれたんだって」
ぽたり、とフランドールの頬を雫が伝う。
「ずっと、ずっと、一緒に、居てくれっ、るって、言ったのに!」
視界の端で傘が落ちる。同時にフランドールをレミリアが抱き締めていた。
「フラン、私達と人間では寿命が違い過ぎるの。それは悲しい事だけど、仕方ない事なの」
気付けば、レミリアもフランドールを抱き締めたまま静かに涙を流していた。
大切な存在を失ったのは何もフランドールだけではなかった。
彼女の姉も、同じ様に大切な存在を失っていた。
何処かでひぐらしが鳴いている。
もうすぐ、夜になる。


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