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持ち帰ったキャラで雑談 その二

11確執編十一章:ギリギリの導き      6/8:2007/05/13(日) 21:41:25
 ちょっと待て。
 あたしは何を考えてたんだろう。
 いくら不可解な状況で命を狙われたからって、相手を殺していい道理なんてあるわけない。
 そもそもあれは『アクマ』であると同時にリヴァルでもある。
 彼女には何の罪もない。
 いや、罪の有無なんて問題じゃない。

 いつからあたしは魔法を『相手を殺す道具』として使うようになったんだ。

 そりゃ確かにあたしが使えるのは攻撃系の魔法ばっかりだ。
 リディアの召喚獣みたく応用も利かないし、一撃で人の命を奪える凶悪なのだってある。
 けど、それなら使わなければいいだけの話。
 殺されそうになったら、相手を殺してもいい? そんなの自分勝手な言い訳だ。
 どんな理屈も言い分も、人を殺していい理由にはならな――

 ゾッとした。

『あの時』、あたしは何をしようとした?
 今と同じように、ただ怒りに駆られたあたしは、魔法を。
 ――リディアに、全力でその力を振るおうとしたんだ。
 何も見えちゃいなかった。
 自分の力も、その意味も。
 あの時のあたしはそれに微塵も躊躇がよぎらなかった。
 やろうとしてることは、今とまったく変わらない。
 その時――そう、本当にその時になって、あたしは初めて思い至った。

 あたし、リディアを殺しててもおかしくなかったんだ――


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