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持ち帰ったキャラで雑談 その二

10確執編十一章:ギリギリの導き      5/8:2007/05/13(日) 21:40:09
 互角に見えた勝負は、けど徐々にセリスが押され始めるという劣勢ムードの様相を呈してきた。
 もともと軽量化を重視した剣身は、『斬る』ことに向いてない。
 重さが足りない分、威力が削がれるからだ。
 だからセリスの必殺は、常に『突く』って動作に乗せられる。
 その欠点は――言うまでもない。効果範囲が極狭ってことだ。
 これが普通の相手なら、幾度か剣を捌いた先に隙を見出して必殺を当てることも出来るんだろう。
 けど、戦闘領域が三次元な『アクマ』とは分が悪かった。

 呪を紡ぐ。
 それはあたしにとって、言葉を紡ぐのとさして違いのない動作だ。
 けどそこには意味がある。
 世界に能動的に影響を与える、『魔法』としての力。
 物心ついた時には、息を吸うのと同じ感覚でそれが使えた。
 どういう原理で使うんだ、ってたまに聞かれたりするけど、そんなのあたしは知らない。
 ――リディアなら答えられるかもしれないけど、さ。
 そんなのいちいち知らなくたって魔法は使えるし。
 普通の人だって、手を動かしたり、呼吸したりするのに『どうやって』なんて考えないだろう。
 あたしにとっての魔法ってのは、つまりはそういうものだ。

 あたしの視界で、2つの存在が一進一退を繰り返してる。
 本気の一撃なら『アクマ』を止めるのも不可能じゃない。
 けど、それは確実にセリスを巻き込む。
 そもそも仲間を巻き込まないように魔法を使うなんて、すごく気を使う作業だ。
 多人数での戦闘で全力を振るうなんて無理と言いかえてもいい。
 敵を倒す代償に仲間を失うなんてシャレにならない――

 ふと、違和感が走る。

 敵? 誰が?
 決まってる、『アクマ』だ。
 向こうは理由は不明だけど、こっちの命を狙ってて、
 ――それなら、こっちも相手の命を奪ってもいいっての?


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