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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

905出会い:2014/05/24(土) 00:14:56 ID:0.s18Cfc
舞い上がった水飛沫が、スカートの裾を少しだけ濡らした。
少しだけなのはスカートだけで、膝から下はズブ濡れなのだが。
「……はぁ」
一つ溜息を吐くと、歩行者など自分以外には一人もいない大通りの歩道の真ん中で、私は傘を畳んだ。
途端に、土砂降りの雨が全身を激しく打ち、制服が水を吸って重くなっていく。
横を通る車が水たまりの水を跳ね上げ、また濡れる。
上を見上げると、どんよりと暗く、厚く広がる雲が見えたが、あまりの雨の激しさに、すぐに目を閉じた。
顔面に叩きつけるような水滴が、赤くなった頬を冷やしてくれる。
別に、赤面しているというわけではない。
赤くなった右頬は、殴られた痕だった。
暴行障害というほど、大袈裟なものではない。
クラスメイトの男子に告白されて、それを断わったら、その男子のことが好きだった友達に報復された。
ただそれだけのことだ。
なさそうでありそう、ありそうでなさそう、少なくとも、ドラマではありがちだ。
でも、これは現実。
クラスで1番仲が良いと思っていた友達――いや、友達ではなかったのかもしれないけど――にあっさりと縁を切られ、噂を流され、クラスで孤立した。
よくあることだ。
「ばっかみたい」
誰にともなく毒吐いて、傘もささないままに歩き出す。
風邪を引くかも、と思ったが、すぐにどうでもよくなった。
滅多に帰らない両親の夫婦仲は誰もが察するところで、同様に、親子の関係も推察するまでもない。
学校だけが居場所かと思っていたが――それも、もはや安住の場所とは言えなくなった。


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