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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

5097/8:2012/05/05(土) 14:54:42 ID:???
『冗談よ。この程度でぶり返すくらいだったら完治してないって事だし、お茶飲み終わ
るまでくらい、別にいてくれたって問題ないわ』
 平静を装いつつ、内心少し慌てて私は答える。実は、こうして別府君と差し向かいで
お茶を飲んでいる事を、何気に楽しみ始めていたのだ。何故なら健康であれば、絶対に
こんな機会はなかっただろうから。
「悪いね。何かこう、無理やり居座るみたいな形になっちまったってのに」
『どちらかと言うと、無理やり居座らされたと言った方が正しいわね。うちのお母さん。
結構頑固だから言い出したら聞かないもの。本当に、困った人だわ』
 申し訳無さそうな別府君を前に、私は軽く肩をすくめてみせる。その姿に気持ちが解
れたのか、別府君が笑顔を見せた。
「確かに。でも、委員長のお母さんって明るくって良さそうな人だよな。それに美人だ
し。何か羨ましいよ」
『……もしかして、別府君って熟女好き……とか?』
 母の事を褒めたりするので、嫉妬も相まって私は胡乱げな視線を別府君に送る。する
と別府君は慌てて両手を振って、それを否定した。
「いやいやいや。客観的な目線で見てって感じで。さすがに俺は同世代くらいの子の方
がいいし。ただまあ、ウチの親なんて普通のおばちゃんだからさ。やっぱり毎日会う顔
なら、キレイな方がいいじゃん」
『そうかしら? 自分の親なんて特に容姿なんて意識しないもの。それに、明るくて良
さそうだなんて、そんなの外面に決まってるじゃない。ごく普通の、口うるさい当たり
前の親だわ』
「そうかなあ? まあ、隣の芝生は青く見えるって言うしな。そういうものかな」
『そういうものよ。私が別府君のお母さんにお会いしても、きっと良さそうなお母さん
だなって思うわよ』
「うちのお袋があ? いや、そりゃないと思うけどな。うーん……」
 別府君が、唸り声を上げて考え込む。それを見て、私は内心微笑ましく思った。親な
んて多少煩わしく思える方が、きっといい親なんだろうと密かに思っていたから。もち
ろん、友達のように仲が良くてもそれはそれでいいのかも知れないが、口うるさく注意
してくれる親を煩わしいと思っても、同時に感謝もしているのだ。もっとも、おせっか
いなところはいただけないが。


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