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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●
506
:
4/8
:2012/05/05(土) 14:53:41 ID:???
「いや、別にそんな事を言うつもりじゃ――」
しかし、彼の言葉はお盆を持って入って来た母によって遮られた。
『ゴメンなさい、お待たせしちゃって。ちょっと電話入っちゃってね』
そう断わりを入れつつ、リビングボードの傍にしゃがみ込んで、お盆に乗ったティー
カップを別府君の前に置き、次に私のティーカップを置く。しかし、私の前に出された
のが、可愛らしい猫の形をしたマイカップだったので、私は思わず母に抗議する。
『お母さん。何で私のカップがこれなのよ』
『あら? だってあなたのカップってこれじゃない。何か不満?』
『だって、人が来てるんだから……』
こんな、子供向けみたいなカップは恥ずかしい、という言葉はグッと口の中に飲み込
んだ。そこまで言ってしまうと、却って余計に恥ずかしくなると気付いたからだ。
『何言ってるのよ。別に恥ずかしがるほどの事じゃないでしょう? それに、別府君が
来る前から準備してたんだもの。今更変えるのも面倒じゃない』
『……分かったわよ。もういいから、下がってよね』
諦めたように言いつつ、私はチラリと別府君を一瞥する。予想通りの微笑ましそうな
顔つきに、何だか酷く居心地が悪い気がする。
『はいはい。それじゃあ別府君。是非、ゆっくりしていってちょうだいね』
「あ、はい。ありがとうございます」
ソファに浅く腰掛けていた別府君が、そのまま頭を下げる。それに笑顔で軽く頭を下
げて応えつつ母が出て行くと、私は別府君に不満気な顔を向けて呟く。
『……何よ……』
「え? 何が?」
わざとなのか天然なのか、そのまま聞き返す別府君に、私はため息をついた。
『気付いてないの? さっきからニヤニヤ笑ってること。何か、気持ち悪いんだけど』
恥ずかしさを押し隠そうと毒を吐くも、全然役に立たない。そして、別府君の返事も、
予想通りだった。
「いや。何か委員長のカップが可愛いなって。あんまり学校でも可愛らしいグッズとか
使ってないからさ。何か意外だなって」
『悪い? 私だって女子だもの。可愛いものの一つや二つ持ってるわよ。ただ、お金掛
けて集めるほど執着はないってだけで、別にこだわりがあって使ってない訳じゃないわ』
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