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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

5053/8:2012/05/05(土) 14:53:20 ID:???
 大輝に家での私の様子をバラされそうになって、慌てて私はチョコを一つ取って大輝
の顔に向かってぶつけた。頬を押さえた大輝が、私を睨み付ける。
「何すんだよ、ねーちゃん」
『あっちに行きなさいって言ってるでしょう? いい加減鬱陶しいのよ。分かる?』
 澄ました顔でそう言うと、私はソファに落ちたチョコを拾って包みを開け、口に放り
込む。正直、今はまだ何とかなっているが、いつまで平静を装い続けられるのかは自分
でも自信が無かった。しかも、さらに大輝が追い打ちを掛ける。
「ふうん。初めて男を家に呼んだのに邪魔されたくないってか」
 茶化すような笑顔を見せる大輝に、思わず手が出そうになるのを懸命に私は抑える。
そして大輝を無視すると、別府君に向けてそれを否定しておく。
『横で何か変な事を言ってるのがいるけど、気にしないで。間違いなく有り得ない事だから』
「へー。どうだかねえ。別府さんから見ても分かるでしょ? ねーちゃんってすっげー
奥手そうだからさ」
 私はキッと大輝を睨み付けた。しかし、一向に平気そうな弟の顔に、これは何を言っ
ても無駄だと悟った。これはもう、多少のリスクは込みでも実力行使に出るしかない。
そう思って立ち上がった時だった。
『ちょっと大輝。いい加減にしなさい。あんまりお姉ちゃんの邪魔しないの』
 キッチンから、呆れたように母が注意するのが聞こえた。
「ちぇっ。はーい」
 意外と素直に、大輝は引き下がってダイニングルームへと姿を消す。私はホッとため
息をついてソファに腰を下ろす。正直、別府君の前で大立ち回りなんてしたくなかった
から、ここは母に感謝だ。
「委員長の弟さんって、よくしゃべるんだね」
 別府君が、苦笑して肩をすくめる。それに私は、厳しい目付きで返した。
『何かおかしい? 私と正反対の性格で』
「いや、別におかしいって訳じゃないけどさ。ちょっと意外だなって思っただけで。そ
ういえば、お母さんもあまり人見知りしなさそうな感じだし」
『悪かったわね。私ばかり暗い性格で』
 揚げ足を取るように言って、私はちょっと拗ねてみせた。それに別府君が慌てて弁解
しようとする。


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