したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

4927/8:2012/04/30(月) 22:13:32 ID:???
「ああ」
 顔を逸らしたまま、タカシは頷いた。何気ない風を装った口調ながら、タカシも恥ず
かしいらしい。もっとも、その時の私に、そんな事気付く余裕すらなかったが。
「俺は、女の子だったら最優先にするのはやっぱり彼女になると思う。だから、その……
かなみが、俺に自分を一番にして欲しいって思ってるんだったら……俺の彼女になれば、
自然にそうなるから……」
 心臓がドッキンバックンとハードな鼓動を鳴らし続ける。体がヒートアップし過ぎて
いて、何だか思考が上手く定まらなかった。
「……っと、その……アンタは……いいの? あたしを、その……彼女認定なんかして……」
 熱に浮かされたような私の問いに、タカシは頷く。
「そりゃまあ……嫌だったら、そんな提案しないし。もう十年来の付き合いだろ? 別
に、一歩先の関係になったって、どっちかっつったら、遅いくらいだし」
 タカシの言葉をぼんやりと考える。つまり、タカシは前から私と付き合いたいと思っ
ていたのだろうか? 私がいっつも罵ってばかりで、全然甘える所を見せなかったから、
そういう関係になるのを躊躇っていたのだろうか?
「で、かなみはどうなんだよ? まあ、その……交換条件みたいで申し訳ないけどさ。
けれど、付き合ってくれないならやっぱりその……他に彼女見つけるしかないし、そう
なったらかなみを一番って訳にはいかなくなるけど……」
「そんなのはヤだ」
 タカシの問いに、キッパリと私は答えた。そして、強く首を横に振る。
「タカシに、他の彼女が出来るなんて許せない。私が……ずっとタカシの一番でいたい
んだから……」
 タカシが好きだ。失いたくない。ずっと一緒にいたい。ずっと傍にいて、ずっとおしゃ
べりして、くっ付いていたい。しかし、これだけタカシの事が好きで好きで堪らないの
に、私はやはり、意地っ張りだった。
「……だから、ずっと一番にしてくれるって言うなら……付き合ってあげても……いい……」
 ほとんど私から告ったようなものなのに、肝心な所をタカシに言って貰って、しかも
それを渋々承諾したように言うなんて、全く持ってみっともない。だけどタカシは、小
さく笑って優しく言ってくれた。
「全く…… まあ、とにかく、今からはかなみは俺の彼女ってことで、公言していいんだよな?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板