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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

4916/8:2012/04/30(月) 22:13:06 ID:???
 不安が、口を突いて出て来る。一度言葉を切って、私はタカシからの返事を待つ。タ
カシは、ちょっと考えてから、小さく肩をすくめて答えた。
「そんな事はないけどな。誰と付き合い出したって、かなみは昔からの幼馴染なんだし、
メールだって会うのだって、拒否はしないけど」
「でも、一番じゃないんでしょ?」
 タカシの答えは予想の範疇内だった。だから私は即座に次の質問をぶつける。
「だって、やっぱり付き合い出したら、彼女の事が優先順位は一番になっちゃうでしょ? 
会うのだって、彼女の方を優先するし、メールだって、彼女からのを先に返信して、私
のは他の友達同様に、後回しにするんでしょ?」
 立て続けに聞く私を、タカシはちょっと呆気に取られた顔で見つめていた。言葉を切っ
て荒く息をつきながら、タカシの答えを待つ。ややあって、タカシは頷いた。
「……そりゃあまあ、彼女が出来たらそうなるだろうな。やっぱり、一番好きな子を最
優先にしたいし、そうでなきゃ彼女にも失礼になるだろうから」
「でも、私はヤなの!!」
 タカシの返事に、私は感情を爆発させた。
「私が一番でなきゃイヤなの!! メールも、会うのだって……私だって、タカシが一
番なのに……だから、タカシも私の事を一番にしてくれなきゃ……イヤなの……」
 感情が昂ぶりすぎて、目から涙が零れ落ちた。泣いてる暇なんてないのに。そう思っ
て、手で目を拭い、潤んだ瞳でタカシを睨み付ける。
「だから……もう一番じゃなくなったらイヤだったから……だからそれで……知りたかっ
たんだもん…… タカシがどう思ってるのかって……」
 ここまで言い切ってから、私は顔を伏せた。目をギュッて閉じ、涙が溢れそうになる
のを必死で堪える。こんな所で泣いたら、泣き落としみたいになる。そんなのフェアじゃ
ない。そんなみっともない事したくない。拳をギュッと握り、肩を震わせ、私はただひ
たすらに我慢していた。
「……なら、付き合うか?」
「え?」
 タカシの言葉に、驚いて顔を上げた。溜まっていた涙がまた一筋零れ落ちるが、そん
なの気にならないくらい、私の心はタカシの言葉に支配されていた。
「付き合うって……その……私が?」


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