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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

4836/7:2012/04/30(月) 11:27:41 ID:???
 そう言い置いて、友子は再び、私の視界から消え去った。しかし、友子の言葉が、私
の胸には錐のように突き刺さっていた。
「自分から積極的にって…… そんな事出来たら、苦労しないのに……」
 誰にも聞こえないように小さく、口の中で私は呟いたのだった。


 今日は、特に他の子たちとも遊ぶ約束がなかったため、私は一人教室を出た。
「こういう時、大体タカシが隣にいてくれたのにな……」
 今にしてみると、タカシは結構マメに私の相手をしてくれていたような気がする。メー
ルとか電話は無精者だが、いて欲しいと思う必要がないくらい、いつだって傍にいて、
構ってくれていたから、寂しいだなんて感じた事なんて一度もなかった。
「べ、別にあんな奴いなくたって…… 寂しいとか思わないし」
 小さく、自分の想いにツッコミを入れる。そんな事をしても全然気は紛れなかったが、
いないものは仕方が無い。バッグを持って、教室を出る。もしかしたら笑顔のタカシが
そこで待ってて……なんて一瞬期待したがそんな事は全然無く、私は一人、昇降口へ向
かおうとした。その時だった。
「ほらほら。別府君、早く早くーっ」
 背後から聞こえた女子の声に、私は咄嗟に立ち止まって振り向いた。自分のクラスを
挟み、二つ向こうの教室がタカシのクラスだ。その入り口に知らない女子がいて、何か
を引っ張り出そうとしている。
「ちょっちょっちょ…… 待てってばおい!! ちゃんと行くから引っ張るなって」
 慌てた男子の声が続いて聞こえる。それは紛れも無く、タカシの声だ。
「ダメダメ。そんな事言って、逃げようとするんでしょ? 約束なんだから、果たすま
で帰さないんだからね」
 えいっとばかりにタカシを引っ張り出したその子が、親しげにタカシの腕に腕を絡めた。
「だから待てって。つか、離せ。そんなガッチリ捕まえなくたって逃げたりしないってば」
「いーじゃん別に。それとも、あたしと腕組むのイヤとか?」


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