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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

4374/9:2012/03/24(土) 22:48:59 ID:???
 俺を睨み付けたまま首を傾げ、それから俺の視線に釣られるように自分の体に視線を
落としたちなみは、その瞬間体が硬直した。顔がみるみるうちに耳まで朱に染まっていく。
『きゃあっ!!』
 普段の眠そうな声が信じられないくらいの悲鳴を上げて、ちなみは体を反転させ、浴
衣を掻き合わせた。それから、背中越しに俺の顔を見て、小さな声で聞いて来た。
『……タカシ……その……見た?』
 嘘をつくのは嫌なので、俺は正直に答える。
「ああ。つか、見なきゃ指摘出来ないだろ?」
 その答えに、ちなみがビクッと体を震わせる。そして、堪えきれないといった感じで
体を前に折って丸めた。
『……タカシのスケベ……変態……エッチ……覗き魔……痴漢……死んでしまえ……』
 恥ずかしさの裏返しなのか、怒涛のような暴言が口から飛び出してくる。それが一段
落するまで黙って聞いてから、俺は面白がるように言い返した。
「そんな事言っても、浴衣の前をはだけたままで飛びついて来たのはちなみさんなんですけど?」
 ちなみがまたビクッと大きく体を震わせる。ややあって、返事があった。
『……だって……タカシが揺らすから……怖かったんだもん……』
「悪かったよ。それについては謝る。けど、お前も慌てすぎじゃね? 下着も何も着け
ずに、浴衣一枚で風呂場から飛び出て来るなんてさ」
 よくよく見れば、長い髪の先の方は濡れたままだし、浴衣もところどころ濡れて体に
張り付いている。大慌てで拭いて、慌てて浴衣を着たのだろう。もっとも、全裸で飛び
出てくるほど理性を失ってはいなくて良かったとは思うが。
『……だって……地震……おっきかったから……崩れて……裸のまま下敷きとか……嫌
だもん……』
 振り向いたちなみの上気した顔に、俺はドキリとした。前は合わせたものの、浴衣の
襟元から覗く白い素肌は、先ほどの小さいけれどしっかりと存在を主張している二つの
双丘を思い出させる。その欲望をグッと抑え、俺はちなみを慰めようとそっと頭を撫でた。
「……震度3だってよ。たいして大きくもないし、それにもう収まったから心配するな」
『……うん……』
 生乾きの髪を指で優しく梳いてやると、ちなみが頭を俺の胸に持たれかけさせて来た。
口は悪いが、甘えん坊なのだ。


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